シクリカル銘柄とは?景気に左右されやすい銘柄に投資するメリットや注意点を解説

株式には多種多様な銘柄があり、何を基準に投資すればいいのか迷うでしょう。

しかし、株価の変動パターンによって分類分けをすることで、どのように投資していけばいいのかの判断ができます。

 

銘柄の性格を表す言葉として「シクリカル銘柄」というものがあります。

 

この記事では、短期間で大きな利益を出すのに向いているシクリカル銘柄について解説しましょう。

 

シクリカル銘柄とは

シクリカル銘柄とは「景気に連動して株価が上下する銘柄」のことです。

株式の主な取引所となる東証一部(東京証券取引所)には、201910月時点で実に3700近い数の企業が上場しています。

 

それらの銘柄は36業種に分類されており、業種によって株価の変動パターンが存在します。

その1つが「シクリカル銘柄」です。

 

シクリカルとは、英語の「Cyclical」からきています。

これはサイクル=「Cycle」が派生した言葉で、「循環」を意味します。

 

景気には「回復→拡大→後退→悪化」という循環パターンがあり、シクリカル銘柄はこの景気の変動に大きく影響されて株価が上昇したり、下落したりする仕組みです。

このことから「景気敏感株」また「市況関連株」とも呼ばれます。

 

シクリカル銘柄は「景気敏感株」というだけあり、景気にすばやく連動します。

景気の上昇に先立ってシクリカル銘柄が上昇し始めるのが一般的で、日経平均株価より大きく動くこともあります。

 

シクリカル銘柄とは反対に、景気の動向に左右されにくい銘柄は「ディフェンシブ銘柄」といいます。

電力やガスといったインフラ、また基本的な消耗品である食品、医薬品などを扱う企業がディフェンシブ銘柄に該当します。

 

大企業としてすでにある程度成長しているため、国内外の動向に左右されにくく、大きく値下がりしないのが特徴です。

そのため、ローリスクで投資できますが、下落が少ないのと同様成長度合いも少ないため、短期的な投資には向いていません。

 

また、災害時などの対応が批判を浴びたり、不祥事が発覚したりすると、大きな値下がりを見せないディフェンシブ銘柄であっても、株価が急落することがあるので、必ずしも安全とはいえないのが実際のところです。

 

シクリカル銘柄の一例

シクリカル銘柄に該当するのは、景気に連動して業績が大きく左右される製造系の銘柄です。

 

製造系の銘柄が大きく上下すると、それに連動して製造系の企業に素材を提供する企業の株価も大きく動きます。

さらに、製品を運搬する物流系の銘柄も影響を受けやすいといえます。

 

まとめると、製造系・素材系・物流系などはシクリカル銘柄が多いといえるでしょう。

 

具体的には「鉱業」「化学」「繊維製品」「紙パルプ」「石油・石炭」「ゴム製品」「鉄鋼」「非鉄金属」「機械」「電気機器」「輸送機器」「精密機器」「その他製造」「陸運」「海運」「空運」「倉庫・運輸」などの業種がそれに当てはまります。

 

以下は代表的なシクリカル銘柄の一例です。

 

業種 銘柄
繊維製品 東レ<3402>

帝人<3401>

化学 信越化学工業<4063>

朝日鉄住金<5401>

ゴム製品 ブリヂストン<5108>

住友ゴム工業<5110>

輸送機器 デンソー<6902>

ホンダ<7203>

電気機器 パナソニック<6752>

アルバック<6728>

非鉄金属 三菱マテリアル<5711>

住友金属鉱山<5713>

機械 日立建機<6305>

日本精工<6741>

 

シクリカル銘柄への投資はハイリスク・ハイリターン

ここまで見ていただければわかると思いますが、シクリカル銘柄への投資はメリットとデメリットがはっきりしています。

シクリカル銘柄は株価の変動が大きいため、短期的に大きく利益を上げることができる一方、下落時には大きく損失を出す可能性があります。

 

景気が好調であれば株価が急上昇し、不況なら下落する、ハイリスク・ハイリターンの銘柄といえるでしょう。

 

国内の景気を表す代表的な指標に日経平均TOPIX(東証平均株価)があります。

日経平均やTOPIXが上昇すれば景気が良い、下落すれば景気が悪いという見方ができます。

 

多くの銘柄はこれらの指標=景気に影響されて株価が上下しますが、シクリカル銘柄は市場平均以上に大きく動きます。

 

東証一部の銘柄は大別するとシクリカル銘柄とディフェンシブ銘柄、どちらともいえない銘柄の3つに分類されます。

どちらともいえない銘柄の値動きが平均、ディフェンシブ銘柄の値動きが平均以下とみなすと、必然的にシクリカル銘柄の値動きは平均以上です。

 

また、シクリカル銘柄は真っ先に景気に反応するため、その他の業種に先行して株価が動き始めます。

気が付くと1000円以上の株価の変動が起こる場合もあり、景気の動向をしっかり観察していなければ、あっという間に大きな損失を生み出すリスクを伴っているのです。

 

シクリカル銘柄にあった投資方法はトレンドフォロー(順張り)

シクリカル銘柄でうまくリターンを得るには、トレンドフォローがおすすめです。

 

投資方法にはさまざまありますが、トレンドフォローとは銘柄の株価が上昇している時に株を買い、下落し始めたら株を手放すという極めてシンプルな投資方法です。

これを「順張り投資」とも呼びます。

 

「トレンド」とは株価のチャートのことで、上昇トレンドは株価が上昇していることを示し、下落トレンドは株価が下落していることを示します。

トレンドフォローは株価の変動が少ない銘柄だと効果が薄い投資方法ですが、シクリカル銘柄は上昇率が高いため、もっともトレンドフォローに適しているといえます。

 

シクリカル銘柄は景気に影響を受けやすい銘柄です。

そのため、個々の銘柄の株価変動と同時に景気全体の動向を常にリサーチしていることが重要です。

 

日経平均やTOPIXはもちろんのこと、「景気動向指数」に対しても敏感になりましょう。

景気動向指数とは、さまざまな経済指標を組み合わせて計算する景気の指標のことです。

 

これらのさまざまな情報を読み取りながら、株価の上がり始めをうまくとらえて投資することで、大きなリターンを得ることができます。

 

ただし、「株価が上昇しているから乗っかろう」という緩い意識だと、順張りというよりは株価の「後追い」になってしまいます。

 

後追いは大変危険です。

というのも、買った地点がすでに高値であり、その後すぐに下がり始めて損失を出す危険性があるからです。

 

これを「高値づかみ」といいます。

高値づかみを避けるには、周りの動向にただ同調するだけでなく、銘柄の底値を見極めて、底値に近い位置で買い付ける判断力が大事になってきます。

 

また、シクリカル銘柄は景気後退局面において株価の下がり方が激しいため、すばやい損切りが大切です。

 

このように、トレンドフォローはシンプルですが、必ずしも簡単に利益を出せる投資方法ではありません。

 

ちなみにディフェンシブ銘柄は景気に左右されにくいため、シクリカル銘柄とは反対にトレンドフォローには向いていません。

 

むしろ、ディフェンシブ銘柄は下落トレンドに強く、順張りの反対である逆張り(株価が下落している時に買うこと)に向いています。

というのも、ディフェンシブ銘柄は業績が安定しており、相場に勢いがなくても持ち直す可能性が高いからです。

 

まとめ

今回、シクリカル銘柄について解説してきましたが、内容をまとめると以下のようになります。

 

・シクリカル銘柄は景気との連動性が高い

・シクリカル銘柄にはトレンドフォローがおすすめ

 

東証一部には数多くの銘柄があります。

シクリカル銘柄やディフェンシブ銘柄などの分類をすることで、より相場に合った株を買うことができるようになるでしょう。

 

シクリカル銘柄はハイリスク・ハイリターンの銘柄です。

投資する際にはしっかりと買い時を見極めましょう。

 

 

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