日経平均株価とは?定義や算出方法を初心者にもわかりやすく解説

株式用語で必ず出てくる言葉が「日経平均株価」です。

ところが、日経平均株価が一体何の役に立っているのかを正確に知っている人はあまりいないのではないでしょうか。

 

そこで、この記事では株初心者でも日経平均株価を理解できるよう、定義や計算方法をわかりやすく解説します。

 

日経平均株価とは

日経平均株価は、株のニュースを見ていれば必ず耳にする言葉ですね。

株をやっていなくても、なんとなく聞いたことがある人も多いでしょう。

 

日経平均株価とは、「日本経済新聞社」が発表する株価指数のことです。

日本全体の経済を表す数値の1つであり、15秒毎に更新されています。

 

株のニュースでは必ず「現在の日経平均株価は~」と報道され、ネットでもリアルタイムで更新されている日経平均株価を確認できます。

投資を始めるのであれば、日経平均株価は真っ先に覚えたい指標の1つです。

 

日経平均株価は日本最大の株式市場である東京証券取引所一部、通称「東証一部」の上場銘柄(企業)のうち、225銘柄の株価の平均値を算出することで決定されます。

平均値といっても、単純に225銘柄の株価を合計して225で割るわけではなく、少々特殊な計算方法を用います。

 

この225銘柄は、日経新聞が選出した「現在日本の景気を支えている企業」であり、日本を代表する優良企業といえます。

 

日経平均採用銘柄はソフトバンク、ブリヂストン、富士電機、トヨタ、ファミリーマートなど、誰でも名前を知っている企業がずらりと並びます。

株初心者にとって、日経平均採用銘柄は流動性が高いため、利益を出しやすく、おすすめの投資先です。

 

しかし、日経平均株価が上昇していても、選んだ銘柄によっては株価が下落している可能性もあります。

日経平均の全採用銘柄に投資する投資信託や先物取引といった投資方法は、日経平均株価に連動しているため、それらの投資も検討するといいでしょう。

 

日経平均株価の採用銘柄は、随時入れ替えが行われる

 

日経平均株価には225銘柄が採用されていますが、その銘柄は企業の業績や市場の降格によって随時入れ替わります。

 

日経新聞は市場全体のバランスが保たれるよう、225銘柄を6つのセクター(グループ)に分類しています。

6つのセクターは36業種から成り、除外銘柄と同一業種の銘柄が入れ替わり採用されることで、各市場がバランスよく225銘柄に選ばれる仕組みです。

 

6セクターと36業種は以下のようになっています。

 

セクター 業種
技術 医薬品、電気機器、自動車、精密機器、通信
金融 銀行、その他金融、証券、保険
消費 水産、食品、小売業、サービス
素材 鉱業、繊維、紙・パルプ、化学、石油、ゴム、窯業、鉄鋼、非金属、商社
資本財・その他 建設、機械、造船、輸送用機器、その他製造、不動産
運輸・公共 鉄道・バス、陸運、海運、空運、倉庫、電力、ガス

 

6セクターはバランスを保たれるために選ばれていますが、実際には「技術」と「素材」がそれぞれ全体の25%以上を占めるなど、比率は異なります。

 

1950年に算出が始まって以降、一度も入れ替わらずに採用され続けている銘柄は92あり、キッコーマンや味の素、TOTO、ヤマハなど、押しも押されもせぬ大企業が名を連ねています。

 

日経平均の元となる225銘柄は「定期入れ替え」と「臨時入れ替え」の2つのタイミングで入れ替わるのが特徴です。

 

定期入れ替え

定期入れ替えは毎年9月~10月に定期入れ替えが行われます。

9月上旬に入れ替わる銘柄が発表され、10月初めに実施されます。

 

定期入れ替えでは1銘柄だけ入れ替わることもあれば、5銘柄以上が入れ替わることもあります。

 

後述しますが、日経平均株価に採用されると株価が上がるため、投資家たちはこの定期入れ替えに注目しています。

証券会社による定期入れ替えの銘柄予想の情報が飛び交うようになると、公式の発表前でもその銘柄が売買されるようになり、大きく市場が動きます。

 

臨時入れ替え

日経平均の採用銘柄が経営破綻したり、東証一部から二部に降格したりした際には臨時入れ替えが行われます。

臨時入れ替えは時期を問わずに行われ、同業種から新たな企業が255銘柄に補充されます。

 

日経平均株価に採用されると株価が上がる

日経平均株価に採用される銘柄は日本を代表する企業として認められ、株価が上がります。

 

逆に、除外された銘柄は株価が下落します。

とくに、投資信託を行っている機関投資家たちは必然的に採用銘柄を買い替えなければならないため、必ずといっていいほど値動きが生じます。

 

2016年の定期入れ替えによって採用された楽天(株)と除外された日本曹達(株)の株価の動きを例に取りましょう。

 

この年、楽天を含む5社が定期入れ替えによって新たに225銘柄に採用されました。

 

以下は楽天と日本曹達の入れ替え銘柄発表前の95日、発表翌日の97日、定期入れ替えが実施された103日の株価を表にしたものです。

 

楽天の株価(円) 日本曹達の株価(円)
9月5日
(発表前日)
1316 2475
9月7日
(発表翌日)
1429 2185
10月3日
(入れ替え実施日)
1329.5 2155

 

発表されたのは96日。

楽天の採用発表前の終値と発表の翌日の終値を見ると、実に100円近い高騰となっています。

 

一方、除外銘柄となった日本曹達は定期入れ替えの発表を境に株価が急落。

前日の終値2475円に対し、発表後の97日は2185円と、実に300円近く株価が下落してしまいました。

 

日経平均採用銘柄の入れ替えが、どれだけ市場に大きな影響を与えるかがわかりますね。

 

ただし、発表前後は対象となった銘柄の株価は瞬間的に高騰、あるいは下落しますが、実際の発表がなされる10月上旬には、また株価が発表前の値に戻ることもあります。

 

日経平均の採用銘柄が入れ替わるときはもっと注目されますが、買い時と売り時をしっかり見極めないと、投資で利益を上げることはできません。

 

日経平均株価の算出方法

日経平均株価は単純に銘柄の株価を平均するのではなく、少々特殊な算出方法が用いられています。

初心者が理解するにはやや時間がかかりますが、知っておくと損はありません。

 

日経平均株価はアメリカの株価指標である「ダウ平均株価」を算出する際に用いられている「株価平均型方式」を採用して算出されています。

株価平均型方式で覚えておくべき言葉は以下の2つです。

 

・みなし額面

・除数の修正

 

順番に見ていきましょう。

 

みなし額面

株式市場では、企業が初めて取引したときの株式の価格を「額面」と呼びます。

額面金額は20円、50円、500円、50000円の4種類があります。

 

2001年から額面株式は廃止され、現在では無額面株式が使われています。

 

しかし、日経平均を計算する際には旧額面金額を持っているものとみなします。

これが「みなし額面」です。

 

実際の株価は額面金額と関係なく上下します。

 

額面金額50円から株価300円に上昇するのと、額面金額500円から株価300円に下落するのでは、同じ株価でも価値が違うことがわかるでしょうか。

そのため、銘柄を一律旧額面50円に計算しなおし、各銘柄の株価の影響力を正確に比較できるようにします。

 

各銘柄のみなし額面は「日経平均プロファイル」で確認できます。

 

除数の修正

「除数」とは割り算の「割る方」のこと。

銘柄の株価合計値を「割る方」を修正することで、日経平均株価のバランスが保たれるように工夫されています。

 

除数を修正しないままだと、銘柄入れ替え時や株式分割(ある企業が株価を下げ、代わりに発行株式数を増やすこと)の際に、日本の景気が動いたわけでもないのに日経平均株価が動いてしまいます。

 

これを防ぐため、銘柄入れ替え時や株式分割時に除数が修正され、指数の連続性を保っています。

 

日経平均株価の算出式

225銘柄の株価(みなし額面)の合計÷修正した除数=日経平均株価

 

上記が算出法です。

この算出法のすべてを覚える必要はありません。

 

そのような計算で産出されているんだなという知識があれば十分でしょう。

 

まとめ

以上、日経平均株価について解説してきました。

 

日経平均株価は銘柄を評価する大きな指標となる数値です。

ただし、同じ225銘柄でも「寄与度」と呼ばれる銘柄の市場全体への影響力が大きく異なるなど、問題も指摘されています。

 

実際に投資する際には、日経平均株価だけでなく、TOPIX(時価総額の平均)など市場を図るいくつかの指標を見比べながら行うことになるでしょう。

 

 

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