PSRとは?著名投資家が活用する指標を理解して投資のチャンスを増やそう。
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売上高や純利益などのデータを見ながら銘柄選びを進めていくと、同じような箇所に「PSR」と書かれた数値を目にすることがあります。

これも企業の優秀性を確認する上で重大な指標として投資の世界で用いられているのですが、一体どのような意味合いが込められた言葉なのでしょうか。

 

今回はPSRという指標にスポットライトを当てて、PSRの意味や投資の世界で重視される理由、そしてPSRを活用した投資術についても触れ、わかりやすく紹介します。

 

PSRとは一体なに?どうやって計算するの?

PSRとは「Price to Sales Ratio」の略称であり、日本語では「株価売上高倍率」として紹介される指標になります。

PSRは売上高をベースとして比較した場合に、株式時価総額がどの程度の大きさを示す数値になるため、株価が割安か割高かを判断する指標として活用することが可能です。

 

よく似た指標として「PER」や「PBR」がありますが、PSRはそれらと比較してあまり一般的と言える数値ではありません。

しかしアメリカのケン・フィッシャーという著名投資家が活用した数値として知られる存在になっており、PSRを活用する一般投資家は増加傾向にあります。

 

特にアメリカでは頻繁にPSRが用いられるようになっていますから、海外投資家の参入率が増えた日本国内の株式市場においても、有効活用すべき指標の一つです。

 

PSRの計算方法

PSRの計算は、株式時価総額÷売上高という非常にシンプルな方法で行うことができます。

また、株価÷1株当たりの売上という計算方法でもPSRを求めることができるので、異なる計算法を使いながら株をデータ化していくと良いでしょう。

 

データの基準として使う株式時価総額は、証券会社が公開しているデータを閲覧するだけで情報を掴むことが可能です。

PSRの目安としては、20倍以上の数字になれば割高、反対に0.5倍以下の数字であれば割安として判断することができます。

 

PSRが株の世界で重視されている理由

PSRがなぜ一部の投資家からPERやPBRよりも支持されているのかと言えば、簡単に言えば計算式の中に売上高を盛り込んでいるからです。

PERには利益が、PBRには純資産が計算で用いられるため、黒字の企業を評価しやすい一方で、赤字の企業に対しては強みを発揮しないというデメリットがあります。

 

反対にPSRを用いると、赤字を計上している企業に対しても平等な評価を下せるようになるため、より多くの投資候補を見つけられるようになるのです。

赤字と言うとそれだけで投資対象から外してしまうという方もおられますが、実はそれだけで優秀な銘柄かそうでないかを判断することはできません。

 

事業を拡大させている企業の場合、収益を設備や事業の投資に充て、さらに収益を増やしていくという循環で会社を成長させていくことがあります。

その過程の中で赤字を計上してしまう場合がありますから、将来性を持つ企業を探したい場合において、赤字の企業も評価できるPSRはとても有効です。

 

ケン・フィッシャーによるPSRの活用

歴代の投資家の中でも特に成功を収めた人物として知られるフィリップ・フィッシャー氏の息子であるケン・フィッシャー氏は、PSR分析を推し進めたことで知られています。

ケン・フィッシャー氏はPSRを用いた投資を繰り返し、約30年間のキャリアにおいて4兆円とも言われる資産を運用するに至ったとされる存在です。

 

フィリップ・フィッシャー氏は、かのウォーレン・バフェット氏にすら影響を与えたほどの存在で、割安株への投資で財を成した第一人者でもあります。

ケン・フィッシャー氏は、父の投資術で発生するパラドックスや弱点を補うための方法として用いた指標こそがPSRです。

 

ここでの成功が一般投資家にも伝わり、今日では多くの投資家がPSRを重視するようになりました。

 

PSRを使った投資術

PSRを使った投資術として最初に使えるテクニックとなるのが、異常人気状態に陥っている小型株のチェックです。

浮動株が少ない小型株の場合、業績が好調で投資家の間で人気が過熱すると、連日大幅な値上がりを繰り返してより多くの注目を集めるようになります。

 

勢いを持って上げていく銘柄の場合、PSRが高くなっていくのですが、ひと段落した瞬間に反動で大きく値を下げてしまう恐れがあることも事実です。

異常人気の銘柄は、買うタイミングによってはいきなり大損をしてしまう可能性がありますが、PSRを使うと、こういったリスクの発生を一定以下に抑えられます。

 

具体的には、PSRが20倍を超える数値を示している銘柄の場合、割高すぎるという判断を下せるので、投資を避けてリスクを取り除くことが可能になるのです。

 

一時的な理由で売られ過ぎている銘柄を見る

特に大型株の場合、業績の不振など一時的な理由で株が売られすぎてしまうことがあり、そうなるとPSRには低い数値が現れることになります。

倒産リスクの高い企業の株に投資することはおすすめできませんが、そうではなく、翌年以降に業績を改善させる見込みがある企業には投資する価値があります。

 

大型株で業績を回復される見込みがあり、PSRが0.5倍程度を示している銘柄を見つけたら、買い候補としてリストに加えておくと良いでしょう。

 

来期以降のPSRを確認して成長を見込めるかどうか判断する

現在のPSRだけを見て買い候補を選別するのではなく、来期以降のPSRを計算しながら成長を見込める企業なのかどうかを判断しましょう。

PSRの計算方法はとても簡単ですし、予想の数字ではありますが、来期の売上見込みを四季報などで気軽にチェックすることもできます。

 

現在のPSRと来季のPSRを比較して、成長が見込めるようであればより強い買い候補に、マイナスが見込まれるのであれば弱い買い候補に分類しましょう。

来季のPSRを見た上でも割安な状態と判断できるのであれば、順調に進めばその後も株価を高めていく可能性が高いと言えます。

 

PSRはできる限り同業同士で見比べる

PSRを利用して売買を行う場合、注意しておきたいポイントとなるのが、できる限り同じ業種同士の銘柄でPSRを見比べるという点になります。

売上高や株価のバランスは業種によって異なるので、違う業種であるにも関わらずPSRだけで比較してしまうと、公平に優劣を判断することができません。

 

そのため、PSRを他の銘柄との比較材料として使用する場合には、必ず同業同士で数値の見比べを行うことをおすすめします。

例えば、小売業の場合は利益率が低くなるためPSRは割安に表示されやすくなりますが、そうではないIT関連株の場合にはPSRが割高に表示されやすくなります。

 

このように異なる業種でPSRを見比べてしまうと、せっかくの数値を見誤ってしまいますから、比較する際には銘柄の業種を確認することを忘れてはなりません。

 

まとめ

PSRは、株価が割安なのかそれとも割高なのかを判断するために使える指標です。

著名な投資家が分析の軸として利用してきた指標でもあり、異常人気の銘柄を避けたり、一時的に株価が低下している銘柄を見つけたりすることができます。

 

注意点としては業種が違う銘柄同士での比較にPSRは向かないという点なので、比較対象は必ず同じ業種の銘柄同士に設定しましょう。

 

 

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