株の投資を成功させる上で大切なことは、株について理解しておくことです。
魅力的な投資でも、詳しい仕組みを理解していなければ相場を読み解くことは難しいでしょう。
そこで今回は、株を発行している「株式会社」の仕組みや株主が持つ権利についてわかりやすく紹介します。
また、株を保有していることのメリットについてもまとめました。
株式投資を始めるにあたって、株について深く知りたいという人は必見です。
Contents
株式会社の特徴は?株券を買うことによる影響
株式会社とそのほかの会社の大きな違いは何でしょうか。
もっとも大きな違いは、株式会社では株を発行しているということです。
株とは、企業がビジネスのための資金を集めるために発行する証書のことです。
ある起業家が、新しく事業を始める計画を立てます。
事業資金を自分で出すことも可能ですが、事業の内容が大きい場合には巨額の資金が必要になるでしょう。
そこで、事業・プロジェクトをスムーズに始めるために出資を募ります。
その事業・プロジェクトが成功すると考える人たちは、資金の出資をするのです。
株を持っているとオーナーになれる
事業の計画者は、出資した人たちのために株券を発行します。
出資した人たちは株券を保有しているので、その企業の株主といえます。
つまり、株を買うことは、企業のオーナーになることなのです。
ただし一人で株券をすべて持っている場合は別ですが、複数人が株券を持っている場合はその複数人すべてが企業のオーナーになります。
出資金は企業によって異なります。
1億円ほどの資金を集める起業家もいれば、100億円以上の資金を集める起業家もいます。
投資家たちが起業家の立ち上げたプロジェクトが儲かると判断すれば、資金を簡単に集めることができるでしょう。
所有している株の保有枚数によって発言力が変わる
株主は、株の保有枚数によって発言力が異なります。
例えば1,000株を発行している会社で、10株しか保有していない場合は発言力が弱いですが、500株以上を保有しているときには発言力が大きくなります。
株の保有枚数が一番多い投資家のことを「筆頭株主」といいますが、筆頭株主になれば企業の方針について話し合う「株主総会」の場で、大きな議決権を持つことが可能です。
株式会社における「社長」「取締役」とは?社長とオーナーは違うもの
一般に会社を経営する人のことを社長といいます。
「社長」とは会社内の規定にある名称のことで、会社法の規定で用いる名称は「取締役」です。
一般的には社長が取締役を務めることが多いですが、株式会社の中には社長と取締役が別のところもあります。
また、企業によっては取締役が複数名いることもあります。さらに、中小企業の多くは、社長が代表取締役となっています。
社長は、会社の経営をする人のことです。
そのため、必ずしも会社のオーナーが社長であるというわけではありません。
実際に大企業の多くは、「社長」と「取締役」、「オーナー」が別々になっているので注意しましょう。
上場企業とは?上場企業の株を売買する方法は2種類
上場企業とは、株を証券取引所で売買ができる企業のことをいいます。
また、証券取引所とは、株の売買ができる場所のことです。
上場企業の株については、個人での売買ができません。
そのため、証券会社を利用して売買をします。
上場企業の株を売買する方法として、以下の2種類があります。
ネット型の証券会社
ネット型は、インターネットのサイトやアプリを利用して株を売買する方法です。
ネット型のメリットは、株を売買したときの手数料の安さです。
手数料が安いので、取引を頻繁にする人にとっては便利といえるでしょう。
対面型の証券会社
対面型は、証券会社に電話をして株を売買する方法です。
対面型のメリットは、プロのアドバイスをもらいながら株の取引ができることです。
証券会社の営業担当がサポートにつき、アドバイスを参考にすることが可能なため成功する確率は高くなります。
ただし、手数料はネット型の10倍以上になることもあるので注意が必要です。
国内にある上場企業の数
国内にある上場企業の数は以下のとおりです。
・東証一部 2,140社
・東証二部 494社
・マザーズ 283社
・JASDAC スタンダード 678社
・JASDAC グローズ 37社
・Tokyo Pro Market 31社
出典:https://www.jpx.co.jp/listing/co/index.html
国内には3,600以上の上場企業があります。
そのため、投資家は業績が伸びると思われる企業の株を選んで購入できるでしょう。
また、上場企業になるための厳しい審査があるので、投資家は安心して株を購入できます。
上場することのメリット3つ
企業が上場することには、以下の3つのメリットがあります。
・誰でも購入できるので資金調達がしやすい
・企業としての信頼度や知名度があがる
・上場企業になると3カ月に1回決算書を開示しなければならないので、経営の透明性があがる
決算書については、赤字経営をした場合でも開示しなければなりません。
企業の中には、資金調達をするために売り上げが上がったと見せかける粉飾決済をして大きな問題に発展することもあります。
非上場企業の株について
上場していない中小企業も、上場している企業と同じように株を発行しています。
しかし非上場企業は多くの場合、株を保有しているのが企業の社長自身やその親族、ごく限られた取引先やベンチャーキャピタルなどとなっています。
非上場企業の株式は、市場に出回ることがなく「未公開株」と呼ばれるため、一般の人が購入することはできないのです。
株はいくらで購入できる?
株の金額は会社によって異なります。
一般的には、数十万~数百万円で購入可能です。
日本の上場企業の株を購入する場合には100株単位が原則となっていま。
ただし証券会社の中には、1株から購入することもできるサービスを展開しているところもあるため、投資初心者の方はそのような証券会社を利用してみるのもよいでしょう。
株価が上がったり下がったりする理由
なぜ株価は上がったり下がったりするのでしょうか。
理由は、会社の業績に関係があります。
例えば、ある企業が1億円を集めるために、1万円の株券を10,000枚発行します。
1年後その企業が1,000万円の利益を計上したとすると、投資家が投資した1億円の資金は10%の利回りで運用されたことになります。
結果的に、利益が出る前に1万円だった株券を欲しがる投資家は多くなりますから、株の価値は1万円よりも高くなるのです。
つまり、株式会社の株は企業の成長とともに価値が上がります。
そのため、株はギャンブルではなく投資ということができるのです。
株を保有していることのメリットとリスク
株を保有していると収入を得ることが可能であり、これが株を持っていることの一番のメリットだと言えます。
株を通して得られる収入は以下のとおりですので、覚えておきましょう。
株による収入①:キャピタルゲイン
キャピタルゲインとは、株式や不動産などの資産価値が上昇することによる利益のことを指しています。
株価は企業の成長によって上がることもあり、株の売買による差益を利用すれば儲けることも可能です。
一日の株の動きを利用して売買を繰り返す「デイトレーダー」は、キャピタルゲインによって利益を上げています。
株による収入②:インカムゲイン
インカムゲインとは、会社の利益の一部をもらう「株主配当」による利益のことを指しています。
例えば、1株が1,000円の会社が1%の配当を行う場合、10円が投資家の利益です。
また企業の中には、自社製品や株主優待などを配当としてプレゼントしているところもあります。
株を保有していることのリスク
株の保有はメリットだけではありません。
状況によっては、大きなリスクを抱えることになるので注意しましょう。
株を保有している場合のおもなリスクは以下の2つです。
・株価は下がる可能性がある
・会社が倒産すると、株の価値が失われてしまう
株を購入するときには、会社の業績を調べることが大切です。
確かな情報を、たくさん収集しておきましょう。
まとめ
今回の記事では、株式会社の基本的な仕組みについて紹介しました。
株式会社には以下の特徴があるので覚えておきましょう。
・株を購入することで、企業のオーナーの一人になれる
・株式会社は、投資家が支払ったお金で経営をする
・会社の業績が上がると、投資家たちにキャピタルゲインやインカムゲインなどの利益が生まれる
株式会社の持ち主は、社長や従業員ではなく、株を購入した投資家たちのものです。
特に、会社の50%以上の株を所有していると、強い発言権や高い議決権を持つことが可能です。
キャピタルゲインやインカムゲインなど、さまざまな形で収入を得ることもできます。
株式投資を始める際には、まずこういった株式会社の基本的な仕組みを押さえておきましょう。