株初心者におすすめできる投資の1つに、端株取引があります。
端株は「単元未満株」、単位によっては「ミニ株」と呼び、小額から投資できるのが魅力です。
本記事では端株とはどのような株なのか、端株を保有するメリットや処理の方法とあわせて解説していきます。
Contents
端株とは
端株とは、別名「単元未満株」ともいいます。
株式取引には独自の売買単位が設定されており、単位を「単元」と呼んでいます。
投資家は1単元から投資を始めなければいけないというルールがあります。
1単元の株数は銘柄によって100株や1000株など異なります。
つまり、1単元100株、1株2000円に設定されている銘柄の場合、投資に必要な最低資金は20万円です。
単元未満株とは、この単元に満たない株で、1株の整数倍のものを指します。
1単元100株であれば、1株~99株までが単元未満株です。
通常の株取引では1単元未満の株は発生しませんが、株式分割や会社合併などの原因により単元未満株が発生する場合があります。
また、現在は単元未満株での投資サービスも増えてきており、このサービスを利用した場合も単元未満株が発生します。
現在では、端株と単元未満株はイコール関係で使われていますが、もともとは「1株にすら満たない株式」のことを指した言葉です。
つまり、数字で表すと1/2株、1/3株というようなイメージになり、端数として発生した株式を端株と呼んでいました。
株券が全面電子化されて、現在は本当の意味での端株が存在しないため、単元未満株と同じ意味で端株という言葉が使われるようになりました。
そのため、本記事では端株と単元未満株を同じ意味として扱います。
端株とミニ株との違い
端株に似た株式で「ミニ株」があります。
ミニ株も1単元に満たない数を表しますが、端株取引は単元の1/100、1/1000単位での取引であるのに対して、ミニ株取引は単元株数の1/10単位での取引です。
また、端株は株主優待がもらえますが、ミニ株取引では証券会社の名前で株主名簿に記載されるため、投資家が株主優待をもらえないという特徴があります。
端株を保有するメリット
端株がどういうものか理解できたでしょうか?
続いて、端株を保有するメリットについて見ていきましょう。
少ない資金で投資ができる
端株の最大のメリットは、少ない資金から投資を始められることです。
2010年代になり、政府は国民にNISAやiDeCoなどによる小額での資金運用を勧めるようになりました。
また、2019年6月には「老後2000万円問題」が話題になり、個人投資家として資産運用をする人が増えてきています。
ここでネックになるのは、単元制度からくる初期資金の大きさです。
いざ投資を始めたいと思っても、初期資金の大きさから、株式投資に手を出しにくい人も多いのではないしょうか?
もともと1株からの投資が可能だったアメリカに比べ、日本では単元制度があるために株式投資を始めるハードルが高いと思われてきました。
しかし近年、端株での取引が可能な証券会社が増えてきたことで、少ない資金で投資を始められるようになりました。
資産運用を始めたいと願っている株初心者にとってはうれしいニュースです。
手持ちが少ない人でも、端株取引であれば十分に始められるほか、最初から大きな資金を動かす自信がない人も同様に、端株取引で始めてみることで、株式市場の雰囲気を知ることができます。
ただし、端株であっても手数料は発生します。
少額取引だと、手数料の方が高くついてマイナスになってしまうことがあり、利益を出すのが難しい場合があります。
端株取引をする場合は、投資額と手数料のバランスを考慮して行いましょう。
株主優待・配当金をもらえる
端株取引では、保有株式が少なくても株主優待や配当金にあずかることができます。
先に説明したミニ株は、配当金はもらえますが、株主名簿に証券会社の名前で記載されてしまうので、株主優待を受け取ることはできません。
1単元で購入した株に比べれば、端株で受け取れる優待は当然少なくなります。
しかし、1株以上買っていれば優待を受け取れるため、内容によっては大きな利益です。
端株優待で受け取れるものの一例は以下の通りです。
・自社商品優待セール
・各種割引
・卓上カレンダー
・ミュージアムや工場見学への招待
・宿泊利用券
端株優待の内容、優待を受け取れる株数などは銘柄によって異なるため、気になる銘柄があれば確認してみましょう。
端株を処理する2つの方法
上記のように、端株取引によって意図的に保有するのではなく、株式分割や会社合併、減資、1単元の変更、子会社化などにより意図せず端株を保有してしまうケースがあります。
所有している株が端株だけだと、株主総会の議決権を持てなかったり、配当金が減ったりといったデメリットが出てきます。
端株の処理方法は「買取請求」と「買増請求」の2つがあります。
買取請求
発行会社に端株を買い取ってもらうことで現金化できます。
買取請求の方法は証券会社によって違います。
Webで請求する場合もあれば、「単元未満株式買取請求取次依頼書」という書類を郵送することで請求する場合もあります。
買取請求時には所定の手数料が発生します。
端株数が少ないと、売却価格より手数料の方が高くなってしまうことがありますので注意が必要です。
買増請求
買取請求とは逆に、単元に足りない株を買い足して1単元とする方法もあります。
500株保有しており、1単元が1000株であれば、追加で500株を買い足すという方法です。
不足分の株は「新株発行」もしくは「既存の株式を割り当てる」のどちらかの方法で補われます。
注意点は、単元未満株式買増制度を採用している会社しか買増請求ができないことです。
また、その会社が所有している株の残高が不足していれば、買増請求はできません。
端株売買ができる証券会社
それでは、実際に端株の売買ができる証券会社を紹介します。
以前は端株やミニ株を売買できる証券会社は多くありませんでしたが、徐々に端株取引を始める証券会社が増えてきています。
サービス名は「単元未満株取引」「S株」「ワン株」「ミニ株」「プチ株」「まめ株」などさまざまです。
端株売買を行える証券会社の一覧を見てみましょう。
証券会社名 | 名称 | 手数料(税抜) | 最低手数料(税抜) |
SBI証券 | S株 | 約定代金×0.500% | 50円 |
SBIネオモバイル証券 | S株 | 約定代金合計額が50万円以下の場合、月額200円 | 200円 |
カブドットコム証券 | プチ株 | 約定代金×0.5%(9000円までは48円) | 48円 |
岡三オンライン証券 | 単元未満株 | 2万円までは200円、3万円までは300円、10万円までは600円、以降10万円増毎に600円 | 200円 |
マネックス証券 | ワン株 | 約定代金×0.5% | 48円 |
SMBC日興証券 | 単元未満株 | 総合コースにおける支店での手数料を株数按分したもの | |
SMBC日興証券 | ミニ株 | 約定代金2000円未満=約定代金×2.53% 約定代金2000円以上=700円 | 約定代金×2.53% |
丸三証券 | 単元未満株 | 約定代金12500円以下は110円、約定代金12000円超は約定代金×0.880% | 110円 |
野村証券 | まめ株 | 約定代金×1.100%一律 | 550円 |
三菱UFJモルガン・スタンレー証券 | 単元未満株 | (1単元の約定にかかる手数料)×(売買株数÷1単元株数) | |
アイザワ証券 | 単元未満株 | 約定代金の一律1.375% | 1375円(100000円以下の場合) |
楽天証券やGMO証券では端株取引は行っていません。
まとめ
端株取引とはどういうものか、またどの証券会社でできるのかを見てきました。
小額から投資できるのが大きなメリットですが、証券会社によっては手数料が高いため、自分の投資スタイルに合わせて証券会社を選ぶ必要があります。