七月に決算を行う企業の中から、配当を目的とした投資に向いている企業を配当利回りの高さから洗い出し、コストパフォーマンスが高い順に4つお伝えします。
株価や配当の推移をはじめ、会社の事業内容や業績についても触れていきますから、将来性を感じられる企業を見つけて投資の対象にしましょう。
なお、配当利回りの基準となる株価には、2019年11月8日現在のデータを用いています。
Contents
総合商研(7850)
配当利回りは2.80%
総合商研の株価は715円となっており、1株あたりの配当金は20円を予定しているため、配当利回りは2.80%となります。
総合商研株を1,000株取得するためにかかる費用は715,000円で、配当として得られるリターンの予定額は20,000円です。
16年から連続して20円の配当を維持しており、売上高も安定した企業であるため、大崩れしにくい銘柄として投資対象に向いています。
会社についての基本情報
総合商研ではチラシの企画や制作をメインの事業に据えており、特に年賀状印刷の部門では首位に立っているほか、折り込み広告においても存在感があります。
20年にはAIを導入して校正作業等を実施しており、人件費を下げることに成功したことに起因して営業黒字を出し、無事に配当を維持させることに成功しました。
北海道を基盤にする企業であり、白石工場の建て直しに10億円を投じた一方で、首都圏への参入も行いながら事業規模を広げています。
株価の推移
過去2年の株価変動が大きく、18年6月には990円をマークしましたが、一転して18年12月末には当時の半値以下となる490円を示しました。
そこから急反発を見せて800円台にまで回復させましたが、再び急落して600円台を推移すると、現在はV時回復の過渡期として700円に復帰させています。
AI投入や工場の建て替えに多額の費用を投じましたが、今後は回収を見越せるため、業績の向上に伴って株価の上昇にも期待できる注目銘柄の一つです。
ただし出来高が少なく、全く取引されない営業日も存在するため、大量の買い付けや売り付けには苦労が伴う銘柄でもあります。
日本駐車場開発(2353)
配当利回りは2.74%
日本国土開発の株価は現在164円であり、1株当たりの配当金は4.5円であるため、配当利回りは2.74%になります。
今回紹介する銘柄の中では最も株価の低い銘柄で、1,000株を取得するための費用は164,000円で済み、リターンとして4,500円の配当を受け取ることが可能です。
前年の配当4.25%から増配となっているほか、15年から徐々にではありますが着実に増配を繰り返しており、来期も4.75円までの増配の可能性があります。
会社についての基本情報
日本駐車場開発では、主に商業施設で利用される駐車場の開発を国内外で行っており、近年ではタイなどのアジア諸国で売り上げを伸ばしています。
日本スキー場開発などの企業も参加に収めているため、レジャー産業にも強みを持ち、テーマパークの運営においても存在感を高めている企業です。
それぞれの事業において不採算を出しておらず、今後も安定した運営を見込める企業であり、客観的な評価が高いことも増配へと結びつきました。
株価の推移
日本駐車場開発は低位株なので、資金の少ない投資家でも売買に参加しやすく、出来高が大きくなりやすいこともプラス材料として考えることができます。
18年1月に記録した212円、同年12月の128円が過去2年間における最高値と最安値で、移動平均線は13~52週に各線で170円前後を示す銘柄です。
そのことから、現在の株価は平均よりもやや安い水準と考えられ、今後の事業においても安定した数字を残し続けられれば、再び200円に迫ることも現実的な目標になります。
自社グループの駐車場30%割引券が株主優待として付くため、運転機会が多い方にとっては非常に有意義な株式投資ができるのではないでしょうか。
ウエスコホールディングス(6091)
配当利回りは2.68%
ウエスコホールディングスの株価は373円を示しており、1株あたりの配当金は15円なので、配当利回りとして期待できるのは2.68%です。
こちらも低位株であることから投資がしやすく、1,000株の運用に必要となる資金は373,000円で、15,000円の配当がリターンとして期待できます。
15円という配当は前年度を維持した数字であり、16年の10円、17年の12円、18年の13円から少しずつではありますが着実に増配を続けている銘柄です。
会社についての基本情報
ウエスコホールディングスは、西日本地域において建設関連のコンサルティング業を行っている会社であり、その業務内容には地質調査や測量といった要素も盛り込まれます。
住居関連のみならず、スポーツ関連施設など大きな土地を擁するコンサルティングにも関与しており、持ち株会社として14年度に再上場を果たしました。
今年度は防災などの保守点検関連の業務が好調であり、豪雨の影響を受けた特需もしっかりとこなし、信頼性を高めることに成功しています。
近年で特に力を入れて取り組んでいるのが、レーザーシステムなど三次元データの導入であり、解析力を向上させたことで人気が増し、今後の増配にも引き続き期待できます。
株価の推移
終息で見ると過去2年であまり大きな株価の変動が起きておらず、最高値は18年7月の485円、最安値は同年12月の289円となっています。
19年6月頃からは底上げの相場を見せ、一時400円台にまで株価を上げましたが、利益確定売りに押されて350円前後での揉み合いが現在も続いています。
しかし、上昇後は350円を下支えにして再び上向きの変動へと移行しているため、上昇トレンドへの移行中として見ることもでき、急騰にも期待を持てる銘柄です。
出来高が大きいとはお世辞にも言えない銘柄ですが、そのぶん上昇した際の爆発力も強く、配当の確保を目指しながらポジショントレードする方にも向きます。
ゼネラルパッカー(6267)
配当利回りは2.63%
ゼネラルパッカーの株価は1,930円を示しており、配当は1株あたり50円となるため、配当利回りに換算すると2.63%になります。
1,000株の購入には1,930,000円が必要で、今回紹介する銘柄の中では飛び抜けて高額になりますが、リターンは50,000円に及ぶ銘柄です。
配当は前年度の50円から減配になりましたが、15年は45円、18年は44円と安定した配当を実施する企業で、業績に見合ったリターンを期待できます。
会社についての基本情報
ゼネラルパッカーは自動包装機械のメーカーとして中堅を担う存在で、食品向けの機器を専門的に手掛けていることで有名です。
省力化に伴って需要が急増し、販売実績を伸ばしましたが、その一方で人件費がかさんだ影響を受けて営業益が落ち、減配に繋がってしまいました。
今後に向けては新工場の設立が決まるなど事業規模の拡大に向けた動きを加速させており、株価の上昇や増配にも期待することができます。
株価の推移
週足ベースで見るとゼネラルパッカーの株価は安定しており、長い期間を2,000~2,200円というレンジで推移しています。
18年12月頃には地合いの影響も強く受けて1,402円にまで下げましたが、その後は回復させてやはり2,000円前後を推移させている銘柄です。
現在の価格は平均よりもやや安く、将来性がある銘柄であることを考えれば、十分に長期投資の対象にできると評価できます。
まとめ
七月に配当を出す銘柄を見ていくと、派手な利回りには期待できませんが、基準として考えられる2%は上回る銘柄をリストアップできました。
今後の株価上昇を望める優良銘柄も含まれるので、長期的な投資対象として資金を注入しても面白い展開になるでしょう。
100円台の低位株から1,900円台の銘柄までが揃うため、予算規模の大小を問わず様々な投資家が参入できる月間です。