十二月の決算に合わせて購入しておくと配当で利益を生み出しやすい銘柄を、上位4つに絞り込んで徹底解説していきます。
多くの企業が決算を迎える月間とあって、より条件の良い銘柄を購入するチャンスがありますから、見逃さずに準備して投資へと進みましょう。
なお、株価や配当利回りに関しては、2019年11月のデータを基に計算しています。
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日本たばこ産業(2914)
配当利回りは6.31%
日本たばこ産業の株価は2,439円であり、予定されている20年度の配当は154~160円となるため、配当利回りは6.31%にのぼります。
1,000株の投資には2,439,000円の投資が必要になりますが、配当によるリターンは154,000円以上になりますから、投資家にとって非常に有利と言えるでしょう。
1株あたりの配当は14年度から右肩上がりに増配を続けており、19年度の配当が154円であるため、6期連続での現状維持~増配は確実視されています。
会社についての基本情報
日本たばこ産業では、ご存知の通りたばこの製造販売業を主軸の事業に据えており、食品や医薬品も取り扱うなど日本の生活に欠かせない企業として存在感を増しています。
近年では加熱式たばこへの移行が目立つこともあって業績を伸ばし切れていませんが、海外たばこの販売業を拡大させることによってしっかりとカバーし増配中です。
21年1月には東京都港区に新本社を構える予定となっており、現在の本社ビルは売却する意向を固め、労働環境の向上や事業拡大に向け邁進しています。
株価の推移
17年12月には3,786円という株価を付けましたが、これが過去2年間での最高値となっており、その後は大きく加工させ3,000円前後を推移していました。
その後も下降トレンドが持続しており、一時的に2,178円という安値を付けるに至ったものの、そこから反発して2,500円を目指しています。
現在も株価は低迷状態が続いていますが、20年度以降も増配の可能性を含んでおり、地合いによる影響も限定的なため、長期投資で配当益を得るのは向いた銘柄です。
100万株以上の売買を日常的にこなしている大型株なので、予期せぬ株価の急変動が起こりにくく、どのタイミングでも売り買いしやすいこともメリットになります。
キヤノン(7751)
配当利回りは5.32%
キヤノンの株価は3,004円となっており、1株当たりの配当は160円なので、期待できる配当利回りは5.32%とこちらも高水準を叩き出しています。
1,000株の投資には300万円を超える投資が求められてしまいますが、160,000円のリターンを受けられるため投資家からの人気が高い銘柄です。
14年から16年までは150円、17年から20年にかけては160円の配当を出している実績があり、安定した利益確保に期待を持てます。
会社についての基本情報
キヤノンはプリンターをはじめとした事務機器や、ミラーレスカメラなどのカメラ販売最大手として有名で、最近では半導体などの開発にも力を注いでいます。
国内外で複合機やカメラの売上が低迷したことを受け、総額100億円を投じて構造改革に乗り出している最中で、主に医療機器の販売を拡大させました。
結果として20年度に向けた売上高は大幅に伸びる見込みとなり、純利益も上昇傾向にあるため、配当の維持や増配に期待できる雰囲気が出ています。
株価の推移
キヤノンは長期的な下降トレンドの中にある銘柄で、17年12月末の4,422円という株価から、僅か1年後には3,000円を割る株価にまで低迷してしまいました。
19年7月からはもう一段の下げ相場が訪れ、過去2年で最安となる2,687円を記録しましたが、そこからは若干の反発を見せて盛り返しを図っています。
現在は3,000円台への回復を達成しており、見通しの通りに業績が好転することになれば、さらに株価を上げる動きにも期待できるでしょう。
こちらも100万株を超える大商いを連日こなしている銘柄なので、売り買いのしやすさという面でも当月では一歩抜きん出た存在です。
日本カーボン(5302)
配当利回りは4.98%
日本カーボンの株価は4,020円を示しており、1株あたりの配当は200円であることから、配当利回りは4.98%という高い水準になります。
1,000株の購入には4,020,000円と、今回紹介する銘柄の中で最も高額な資金が必要になりますが、配当として200,000円のリターンに期待できます。
20年度の配当は19年度と同じ200円ですが、18年度の100円から倍増、17年度の50円からは4倍増と驚異的な成長を遂げている最中です。
会社についての基本情報
日本カーボンは炭素製品の大手企業であり、半導体やリチウム電池、電極などの製造を行う企業として知られています。
今期は特にファインカーボンの需要が高まったことを起因に着実に打ち上げを伸ばしましたが、原料価格が上昇した煽りを受けて利益が圧迫されています。
しかし生産設備強化に100億円を投じるなど事業規模の拡大も視野に入れた経営を継続中で、原料高騰による圧迫を解消するための背策も進めています。
株価の推移
18年1月から10月にかけて絵に描いたような上昇トレンドで株価を上げ、ピーク時には8,170円という高値を付けていました。
しかし相場の下落にも押される形で株価を急落させ、19年1月には半減となる4,000円に前落ち込み、その後は小康状態が続いています。
仕手筋による作為的な操作ではなく、実力によって株価を引き上げていたことは事実なので、相場や業績次第では再び強い上昇トレンドに移っても不思議はありません。
株価が下がっても増配という強気な姿勢を崩すことはありませんでしたから、株価の上昇を狙って長期保有するというのも面白い選択になるでしょう。
ビーピー・カストロール(5015)
配当利回りは4.92%
ビーピー・カストロールの株価は1,523円であり、1株当たりの配当は75円を予定しているため、配当利回りは4.92%とこちらも非常に高い数字です。
1,000株を購入するために要する資金は1,523,000円で、そこから得られる配当のリターンは75,000円になります。
16年、17年に記録した91円の配当は18年から75円にまで減配となりましたが、3期連続で75円を維持しており、なんとか踏みとどまっています。
会社についての基本情報
ビーピー・カストロールは、石油市場においては著名なBPが実質的な筆頭株主を務めており、自動車の潤滑油を主力製品として取り扱っています。
カー用品店やディーラーを営むなど多角化させた経営が特徴的で、主力製品の売上を堅調に伸ばすことによって配当の維持を達成させました。
高齢化社会や、高齢ドライバーの運転自粛などの影響により会社を取り巻く環境は厳しくなっていますが、原油価格が安定していたことも追い風になった様子です。
株価の推移
ビーピー・カストロールの株価は17年12月の段階で2,325円を付けていましたが、18年12月にかけて少しずつ株価を低下させています。
そこからは反発して一時1,400円を回復させる動きを見せたものの、カーブを描くように1,200円のラインまで戻り、現在は再び上向きのチャートに移行中です。
既に前回の最高値を更新したまま上昇傾向を維持しており、当面の目標は多台となる2,000円台の回復に定めることができるでしょう。
まとめ
十二月に紹介した4つの銘柄は、いずれも5%前後の配当利回りを誇っているため、投資する価値が十分にある銘柄と言えます。
高額な株が多いことは難点ですが、今後の上昇や再浮上に期待できる銘柄もあり、買い候補に入れられることは間違いありません。
配当の履歴やチャートから信頼に値する銘柄を見つけ、中長期的な投資対象として活用すると良いでしょう。