資産運用にはリスクが付き物です。基本的にリスクテイクをしていかなければ、利益であるリターンを得る事はできません。
今回は、資産運用を行う際に発生するリスクとそのリスクをコントロールする方法について解説していきます。
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資産運用のリスクとは?リターンの関係についても解説!
そもそも資産運用のリスクとは何を指すのでしょうか。
リスクと聞くと危険とか怖いというようなイメージがあるかもしれませんが、資産運用におけるリスクとは不確実性や資産価値の値動きの幅であるボラティリティの大きさ等を指します。
一般的にリスクが低い投資商品から得られるリターンは低くなり、リスクの高い投資商品から得られるリターンは高くなります。
投資家が高いリスクプレミアムを要求する金融商品については、その見返りとして高いリターンが要求されるからです。
低リスクの投資商品の代表的なものとして、定期預金や日本国債等が挙げられます。
特に、日本国債は基本的に元本が保証されるため、国債利回りの事を安全利子率と呼ぶ事もあります。
ミドルリスクミドルリターンの投資商品として代表的なものが不動産です。
不動産から得られる賃料収入は比較的安定しており、投資元本についても評価額が下がるような事はありますが、不動産という実物資産が残ります。
不動産投資は、税金対策としても有効な側面があります。
ハイリスクハイリターンの投資商品として挙げられるものが株式です。
株式では投資先の会社が成功すればたくさんの利益を生み出す可能性がありますが、投資先の会社が倒産するような事があると価値が無くなってしまう事もあります。
また、リーマンショックのような金融危機が起こると、真っ先に価値が下落するのが株式です。
株式に投資する場合は、そのリスクについて十分理解したうえで投資していきましょう。
資産運用には様々なリスクがある!資産運用をする際のリスクについて紹介
資産運用の際に発生するリスクでは、様々な種類のリスクが複合的に関係し合っています。自分が実際に投資する時に、投資商品によってどのようなリスクが該当するのかという事を見極めていく事も重要です。資産運用におけるリスクの種類について紹介していきます。
○価格変動リスク
価格変動リスクとは、資産運用を行う際に資産の評価額が変動するリスクです。
株式や投資信託等の比較的リスクが高い金融商品に対して顕著に見られます。
市況や経済状況等の外部要因や個別要因によって、資産価値が下落して損失を被る可能性があります。
○信用リスク
信用リスクとは、国家や企業等の有価証券の発行体が財政や経営状況の悪化から、予定されていた債務の履行が行われなくなるリスクです。
国家では財政破綻、企業では倒産等で有価証券の価値が無くなってしまう可能性があります。
信用リスクについては、有価証券の発行体に対して民間の格付け機関が格付けを行っている場合もあります。
格付け機関による格付けが低く、信用度が低い発行体は、信用リスクが高い金融商品であるという事ができます。
○マーケットリスク
マーケットリスクとは、株式市場や債券市場の状況に応じて保有資産が被るリスクの事を指します。
例えば、日経平均株価やダウ平均株価等の株価指数が下落すると、保有している株式の評価額が下がりやすくなるという傾向があります。
株式を中心に資産運用をしている時に、経平均株価やダウ平均株価等の株価指数が下落するような事態になると、運用状況はかなり厳しくなる事が予想されます。
○為替リスク
為替リスクとは、為替レートの変動によって受けるリスクです。
例えば、外国株式や海外ファンド等の資産を保有している際に円高になった場合、為替レートの面で損をする事になります。
また、外貨預金やFX等を行う際には、為替リスクに常に配慮した運用を行う必要が出てきます。
為替レートは、各国間の経済状況や政治状況によって日々変動しています。
○カントリーリスク
カントリーリスクとは、投資先が属する国家や地域が要因で発生するリスクの事を指します。
国家や地域の政治や経済状況、紛争や自然災害等によってリスクが変動していきます。
また現在、経済はグローバル化しており、ある特定の国家や地域で発生したカントリーリスクが世界中に波及するような事もあります。
具体例としては、ギリシャ危機や上海ショック等が挙げられます。
重要な事はリスクのコンロトール!資産運用のリスクをコントロールする方法について紹介
資産運用にはリスクが付きまといますが、積極的な運用は避けていった方が良いのでしょうか。
資産運用のリスクはある程度コントロールする事ができます。リスクをコントロールしていきながら、ポートフォリオの収益性を上げていく事が理想的な資産運用です。
資産運用をする際に知っておきたいリスクマネジメントの手法について紹介していきます。
○資産運用では分散投資が基本
資産運用でリスクをコントロールするためには、分散投資を行う事が基本的な戦略となります。
「卵は一つのカゴに盛るな」という相場の格言があります。卵を一つのカゴに盛ってしまうと、そのカゴを落としてしまった時に一度にすべての卵が割れてしまうリスクがあります。
複数のカゴに分散して卵を盛ると一つのカゴを落としてもすべての卵が割れるわけではありません。
転じて、資産運用における分散投資の重要性を説いています。
ハイリスクハイリターンの投資商品やローリスクローリターンの投資商品等を組み合わせて、投資者のリスク許容度に応じた最適なポートフォリオを作成していきます。
分散投資の基本的なアプローチとしては、日本を含む先進国から新興国までの国や地域の分散、株式や債券、不動産等アセットクラスの分散です。
個別の株式等に投資する際にも分散投資を行います。
また、投資信託やETFを通じて購入できる株式インデックスファンドでは、株価指数構成銘柄すべてに分散投資を行っているため、インデックスファンドへの投資も分散投資の有効な手段の一つとなります。
インデックスファンドは分散投資効果に加えて、購入手数料が無料である場合が多く、小額から積立投資をする事ができますので、初めて資産運用を行うという人におすすめです。
○ドルコスト平均法を活用する
リスクを分散する方法はアセットクラスの分散だけではなく、投資時期をずらす事による時期リスクの分散も有効です。
その中でも、ドルコスト平均法は代表的な時期リスク分散手法となります。
ドルコスト平均法とは、投資商品に投資する際に一定額を一定の期間ごとに行うという手法です。
投資時期を分散する事になりますので、高値掴みをしてしまうリスクを排除しています。
また、価格変動が激しい投資商品を購入する際にも、取得金額を平準化させていくことができます。
毎月、一定額を積み立てていきながら投資をしてく方法は、自然とドルコスト平均法による効果も期待できます。
まとめ
以上、今回は資産運用のリスクやリスクマネジメントの方法について解説していきました。
資産運用を行う際には、様々なリスクについて考慮していかなければなりません。
資産運用からリターンを得るためには、リスクを取る必要が出てきます。
ただし、資産運用におけるリスクはある程度コントロールをする事も可能です。
アセットクラスの分散やドルコスト平均法による時期リスクの分散等を行う事で、有効なリスクマネジメントを行いながら、ポートフォリオの収益性を高めていく事が可能となります。