この記事は逆張りについて株式投資初心者にわかりやすくご紹介する記事ですが、あくまでもご紹介することが目的であり、この手法を初心者におすすめする記事ではないということを初めに言っておきます。
逆張りの対称的な手法として「順張り」がありますが、順張りは初心者向けであり、逆張りは株式投資にある程度慣れた中級以降の方向けの手法です。
この記事では順張りについてもご紹介しますが、逆張りをメインとしてご紹介します。
逆張りとは何か?ということやメリットやデメリットもご紹介します。
順張りとは
順張りとは、「株価が上昇トレンドである時、その流れに乗って購入すること」です。
上昇トレンドに入ったポイントはたくさんありますし、人それぞれだと思います。
例えば、ゴールデンクロスをしたら上昇トレンドに切り替わる、レジスタンスラインを上抜けたら上昇トレンドに切り替わる、などのようにたくさんあると思います。
この、上昇に向かったというのを確認してからその銘柄を買うので順張りと言います。
基本的に初心者は買いのタイミングやポイントに慣れてないので、順張りから始めることをおすすめします。
後述にある逆張りを行うには、順張りでしっかり買いのタイミングやポイントを押さえておく必要があります。
逆張りとは
ではここから本題の「逆張り」についてご紹介します。
以下の株価の価格推移を見てください。
(これはどの銘柄でもありません。独自に作った価格推移です。またこれは短期間で書いていますが、実際は長期間になることが多いです。)
・1/9 1200円
・1/10 1000円
・1/11 950円
・1/12 900円
・1/13 850円
・1/14 850円
・1/15 900円
・1/16 950円
・1/17 1000円
・1/18 1050円
・1/19 1100円
・1/20 1150円
・1/21 1200円
・その後は順調に上昇し3月には株価が2500円になった。
1/9から急落し1/10〜1/14までは下落、その後横ばいになり、1/15以降は上昇トレンドに切り替わるという株価の価格推移です。
先程ご紹介した「順張り」は上昇に確実に切り替わった1/19や1/20らへんで購入することがセオリーです。
しかし逆張りは1/10の時点で購入します。
まだ下げ基調の時に、今後の株価を予想し、「今は下げ基調だけど過去のチャートから分析すると、このあと横ばいになってそのあと上昇トレンドに切り替わるだろう。だから早めに購入しよう。」という感じです。
確実に上昇トレンドに切り替わった1/20らへんに購入する順張りだと「1/20 1150円〜3月 2500円」です。
逆張りだと「1/10 1000円〜3月 2500円」です。
このように、逆張りの方がそのまま下落してしまうリスクがありますが、しっかりチャートを分析すれば、順張りよりも遥かに大きい利益を得ることができる可能性があります。
逆張りのメリット
逆張りはリスクが小さい割には儲けは大きくなります。安くなって買い、高くなるのを待って売るので順張りと比べれば、上手く行った時の値幅は大きくなります。
株価が大底をついて反転し、過去の高値に迫る頃には、高値づかみをした人はやっとトントンに近づいたところなのに、逆張りで大きく下がったところを仕込むことのできた人は既に大きな儲けになっていると思います。
思惑と多少違ったとしてもミスが相対的に少なく、うまくいけば儲けは順張りよりもかなり大きくなる逆張りは、安全派の投資家にはうってつけの戦術なのは間違いありません。
逆張りのデメリット
逆張りのデメリットは「成果が挙がるのに時間がかかることが多い」ということです。
株価がどんどん上がっている時には、逆張りはすぐには使えません。
①とりあえず順張りでいく
②急反落するのを待つ
③天井を打って暴落するのを待つ
この3つのうちの1つを選択することになります。
ただし、待つ時間は長く感じると思いますし、上げ相場がいつまで続くのか?天井がいくらくらいなのかは誰にもわかりません。
時には待つ身だから長く感じるのではなく、本当に長い時間待たなければならないこともあります。
天井を打った株価が、相当期間にわたって大きく値下がりし、本当の買い時になるまでには、1〜2年かかることも珍しくありません。
「ここが底だ」と思って買ってすぐ上がることもありますが、そういう幸運はかなりまれです。
実は、そう大して上がらずにまた下げる、ということのほうが実戦においては遥かに多いです。
待ちに待って安値圏で買った株でも、すぐに上がるとは限りません。相当長い間、底値圏に居続けることも少なくありません。
せっかく逆張りで底値圏を買ったのだから、そんな時もじっと待つ、多少上がっても売らないことです。
株価には「一旦上がり始めると、途中で修正できない値下がりがあってもまた上がっていく」という習性があるからです。
せっかく待ちに待って安値圏を買ったのに、少しの利益しか得られないのはあまり良いとは思えません。
利益を確定するのは、大幅に上がって、出来高が大きく膨らみ、過熱現象が見えてからにするべきです。
実践における逆張り投資では、「待つ→仕込む→十分に上がって利益確定」これになるまでには2〜3年かかることもあります。
それよりもっと短くて利益確定できるのか、逆にもっと長くかかるかは、後になってみなければわかりません。
順張りは、せっかちな人向きの投資戦術だとすれば、逆張りはのんびりな人向きの投資戦術だと思います。
逆張りに向く銘柄
逆張りにはどんな銘柄が向いているのか?ということですが、順張りよりも対象は広いです。
暴落した後、真っ先に戻るのは中・小型優良成長株です。
なぜかというと、暴落から立ち直りかけた頃、市場に流入する資金は限定的であり、たいていは打診買いから始まり、市場エネルギーがまだ小さいので大型株から買って入ることはまずありません。
つまり、中・小型優良成長株なのです。
少ない株数で効果的に株価を上げ、時価総額を膨らませ、市場心理にインパクトを与えることが可能だからです。
なので逆張りの対象としては、中・小型優良成長銘柄になります。
また、業績見通しが明るく、外国人持株比率が高く(15%以上が理想)、市場の人気が強い銘柄を選ぶことで良い結果を生む可能性が高まります。
それ以外では、各業種のトップの銘柄を選ぶのも良いです。トップ銘柄は、ファンドにとって株価が上がると都合の良い銘柄です。
狙い目は人気業種のトップ銘柄が下がった時です。
株式や土地の含みが多い銘柄も、逆張りに向いてる銘柄です。
逆張りの買いポイント
大チャンス到来といっても、いつ、いくらが本当の底値になるかは誰にもわかりません。後になってわかることです。
そこで問題となるのが、急落の最中に買うか、下げ止まりを確認してから買うか、ということです。
投資家の悩みは「なるべく安値を買いたい。できれば底値で買いたい」という考えが普通です。
「まずまずの安値で買えればいい」「高値から相当下がったところで買えれば良しとしよう」と考えれば、下落途中の買いでも、底値を確認してからの買いでも、自分に合う方で行うことが一番だと思います。
まとめ
逆張りは順張りよりも利益をたくさん上げることができる手法ですが、初心者の方は株にしっかり慣れてから行うことをおすすめします。
知識や経験が無いと、逆張りを成功させるのは難しいですし、知識や経験があっても失敗します。
失敗した時の対処法も初心者の場合だとわからないことが多いと思うので、しっかり株に慣れてから逆張りを行うと良いでしょう