たびたび暴落の憂き目にあってきた仮想通貨ですが、今後の見通しはどうでしょうか?
仮想通貨が暴落する主な理由と、現状について説明させて頂きます。
Contents
4つの仮想通貨暴落の理由
仮想通貨が暴落する理由については様々なものがありますが、主に①規制②取引所の動向③技術の進展④投資家の感情といった4つが考えられます。
ひとつずつ説明していきます。
規制―法改正やルールの変更によって乱高下
仮想通貨市場の大きいところはアメリカ、中国、日本です。その国々において仮想通貨の法律については、近年急ピッチで進んできました。
過去を見てみると、特に法改正が多かった2017年ではたびたび乱高下を経験しています。
具体的には2017年4月に資金決済法の改正、7月にICOを処罰対象にする旨を発表、そして9月にICOと取引所の規制が入っています。
日本の資金決済法改正により高騰した市場は、アメリカや中国の規制強化によって暴落しました。
特に2017年までの取引高は人民元建てのビットコインが9割を占めておりましたが、規制によって現在は0%になっています。
もともと仮想通貨は非中央集権という、権力や組織に左右されないシステムであったため、このような国内外の規制による影響を受けやすいとされています。
取引所の動向-市場参入やハッキングリスク
仮想通貨は取引所を通さねば買うことができません。この取引所の動向によっても乱高下の可能性があります。
たとえば、海外にある取引所が日本でも口座が開けるようになると、日本からの取引量が増えて市場が盛り上がる可能性があります。
逆に撤退をすれば、その分だけ取引量が減るので市場後退の危険性があります。
さらに、アルトコインというビットコイン以外の仮想通貨は、取扱いする取引所が増えれば、その分だけ上昇してきました。その逆に取扱いを中止すれば暴落のきっかけにもなります。
また、過去にも取引所がハッキングされたことによる暴落を何度も経験しています。
大きいもので言うと2014年に起きたマウントゴックスという取引所のビットコインがハッキングされたことによりビットコインが75%下落しました。
2018年に起きたコインチェックのネムがハッキングされたことにより、ネムが57%の下落という結果になっています。
このように取引所の動向によっても、今後暴落していく可能性があります。
技術の進展―技術競争による価格動向
技術の進展というと難しいですが、仮想通貨には2000種類を超えるプロジェクトが今も出ては消えています。
各仮想通貨は取引量を増やすため(より多く投資をしてもらうため)、技術を進展させていく努力をしています。
例えば取引速度が速くなる、セキュリティが高くなるといった技術をアップデートしていくことで、魅力を増していくものです。
基本的にホワイトペーパーというものでその目標を公表し活動をしていくのですが、中には思ったように技術が進まず、頓挫してしまうもの、延期してしまうものがあります。
今後の発展に対する期待で上昇していた相場も、そのような状況になってしまうと、暴落のきっかけになる可能性があります。
投資家の感情―投資をする魅力があるかどうかを判断
さて、以上のような理由を述べましたが、最終的にその相場がどうなるかは投資家の判断になります。
投資家が投資対象を選ぶ理由には、儲かるのが、安全性はあるのかといった観点があります。
昨今のビットコイン相場では、上昇を続けていた期間に取引量が異常なまでに増加しました。
そして暴落したとき、儲からなくなった、ハッキングリスクによる安全性に不安を感じたなどの理由で取引量が減っていきました。
取引量は2017年12月に最高値をつけてから、2019年3月現在で半分以下にまで減少しています。
すでに述べた通り、人民元建てビットコインの取引高がなくなったあとにけん引したのは日本円建てのビットコインです。
その取引高も2017年末の大暴落、コインチェック事件を経て減ってきています。
つまり投資家が儲からないと感じている、また仮想通貨へ投資するよりほかの資産への投資を選んでいることを意味します。
加えていうと、技術革新も今後の期待という意味では薄いのではないかと言われています。
なぜならビットコインキャッシュを例にとると、2017年末より2019年3月現在のほうが格段に性能の良いものとなっていますが、当時と比べても低い価格の評価となっています。
このように、投資家の感情によって最終的な価格が決まります。
暴落のきっかけについて
では、何がきっかけで暴落が始まるのでしょうか。過去にも様々な原因で暴落してきましたが、今後の見通しについて説明したいと思います。
先物、FXによる暴落
先物やFXは高騰、暴落の原因になります。
一時期200万を超えたビットコイン相場は、FXが主導であったとも言われています。
先物やFXはレバレッジという、口座資金の何倍もの金額で投資する仕組みがあります。
そのため、少ない資金で多く投資ができ、結果として取引高が上昇したという経緯がありました。
そのレバレッジが今後規制されるという報道がされています。
レバレッジが低くなるということは投資リスクが減ることでもありますが、同時に取引高が減って相場が細っていく可能性があることを意味します。
AML規制による暴落
AMLとはアンチマネーロンダリングの略です。
各国が危惧していることは、仮想通貨がその匿名性を利用した犯罪行為の資金源になっている現状があります。
実際、海外では本人確認なしで口座開設できる取引所が存在しており、そこがテロリストの資金源になっていることが問題としてあげられます。
この規制が新たに出てくることで、また相場が動く可能性があるでしょう。
ハッキングによる暴落
仮想通貨は非中央集権というシステム上、誰かが保証しているものではありません。
過去に起きたマウントゴックス事件、コインチェック事件のようにハッキングされるリスクは2019年現在でも存在しています。
ハッキングされたあと、どのような相場になるのかは過去のとおりですが、そのリスクを減らすために取引所は改善をしています。
しかし技術の発展と悪意ある犯罪はいたちごっこが続いており、ハッキングリスクによる暴落の可能性が依然として残ったままになっています。
マイニングによる暴落
暴落というには語弊がありますが、仮想通貨の価格、特にビットコインはマイニングの価値が下がることで、将来にわたって下落していくことが予想されています。
マイニングとは仮想通貨を発掘(発行)することで、その発掘のためには多大な電力を要します。
電力消費あたりのマイニング量は一定量を超えると減少していき、現在の価格では電気代の方が高くなっています。
そのため、マイニングを生業とした企業が撤退するなどの影響が出てきており、相場が後退する要因のひとつとされています。
まとめ
仮想通貨はその特性から暴騰していきましたが、さまざまな問題が浮き彫りになった現在、将来性についてはしっかりとした理解が必要です。
仮想通貨はできなかったことを可能にする、非常に魅力的な資産クラスです。今後の規制動向や技術革新によっては将来的に上昇する可能性もあるでしょう。
しかし仮想通貨に投資をするには、今回説明した以外のリスク・リターンの理解が必要です。
この記事が投資の役に立てれば幸いです。
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