ビットコイン(Bitcoin / BTC)は、2019年現在最も流通量が多い仮想通貨です。
ビットコインは、「仮想通貨」が概念や特殊な存在としてではなくシステム的にも広く実用化され発達したという意味での「黎明期」にあたる2009年頃から存在します。
今一般的に流通している仮想通貨の中では、最も歴史の長い仮想通貨の一つでもあります。
かつては「ビットコインはもう値上がりしない」「ビットコインは終わった」と言われていましたが、2019年春に再び価値が高騰し、一時期1ビットコイン=140万円近くを記録する驚異的な上昇を見せました。
今、ビットコインに一体何が起きているのでしょうか?
今回は、現在上昇傾向に乗っている仮想通貨ビットコインの高騰の理由についても触れながら、今後の見通しや将来性について解説していきます。
2019年のビットコインの価格推移
ビットコインは一時期1ビットコイン=220万円を超える高値をつけたり、大規模な盗難被害が相次ぐなど、さまざまな話題を供給し続けました。
しかし2018年以降、その価格は暴落に暴落を続け、最高値から比べると85%もの大幅な下落を記録しました。
そして「ビットコインはもう終わった」と言われ、その分析は仮想通貨の終わりを意味していました。
しかし2019年春頃から再びビットコインの価格は一気に上昇トレンドラインに乗り、一時期は1ビットコイン=140万円近くになる高値を記録しました。
しかし急激な高騰は2019年7月をピークに止まり、再び緩やかに下降をはじめ、10月現在では1ビットコイン=84万円前後をキープしています。
短期的に見れば一時期の高騰からは値下がりしたとは言っても、暴落が相次いだ2018年を経て2019年1月には現在の価格の2分の1ほどの値段であったことを考えると、長期的にグラフ化した場合には緩やかな上昇ラインに乗っていることがわかるでしょう。
現在価格の高騰こそ落ち着いたものの、現在は1ビットコイン=100万円をレジスタンスラインに取りながら緩やかな上下を続けている状態です。
ビットコインのメリットとは
世界で最初に運用が開始された仮想通貨であるビットコインは、仮想通貨の中でも抜群の知名度と信頼性を誇っています。
単なる投機対象の通貨ではなく、きちんとした機能性も備えているからこそ、ビットコインは世界中に流通していったのです。
それでは、今も世界中でビットコインが取引されているのは、どういったメリットがあるからなのでしょうか。
国際送金の圧倒的なスピード感
普段、法定通貨を用い、銀行を通して行われる送金では、特に海外送金の場合は非常に時間がかかります。
早くても2〜3日、遅いと1週間くらいかかってしまう場合もあります。
また海外送金する際、銀行や国家といった中央集権機関を通すことによって手続きも猥雑化し、手数料も15%と非常に高くなっています。
しかしビットコインであれば、銀行や国家を介することなしに送金が可能なため、わずか10分程度で国際送金が可能であり、そのスピード感は圧倒的です。
また手数料も数円〜数百円の間で手数料が選択可能で、非常にコストが安いというのも特徴です。
また仮想通貨交換業者により気軽にビットコインへの交換が可能と言うことも大きなメリットです。
銀行口座を持っていなくてもスマホ1台あれば取引可能
普段、法定通貨を用いて取引を行う際は銀行口座を持っていなければいけません。
日本では口座をもつことは当たり前ですが、海外には様々な事情で銀行口座を持てない人は大勢います。
そんな口座を持てない人でも、インターネットを介して銀行を経ずに直接取引が可能なビットコインなら、スマホさえ持っていれば取引が可能です。
ビットコインの信頼性の高さを保証するものとは?
ビットコインは、今後も世界で用いられ続け、今まで以上に利用者が増えることが予想されています。
それでは、ビットコインがそこまでの信頼性を集めているのはなぜなのでしょうか。
以下に詳しく見ていきましょう。
ブロックチェーンの仕組みを利用した相互監視
ビットコインをはじめとした仮想通貨では、ブロックチェーンという仕組みが用いられています。
詳しくは割愛しますが、ブロックチェーンという仕組みを利用することによって、ビットコインは複数のノードと呼ばれるP2Pネットワークの管理者が相互に取引情報を監視し合います。
それによって情報の改ざんを防ぎ、改ざんされたとしても排除することが可能です。
法定通貨(自国の通貨)よりも資産価値が高い
普段我々が使っている円や、アメリカのドル、中国の元などの通貨は「法定通貨」と呼ばれます。
国の情勢変化によって価格が常に変動し、情勢によってはベネズエラドルのようにハイパーインフレーションによって紙くず当然となるリスクがあります。
しかしビットコインをはじめとした仮想通貨の場合は、世界中のユーザーが相互に監視し運営を行っています。
取引が正常に行われているかを「マイニング」という作業を随時行うことで、世界中のユーザーが検証しています。
世界中のユーザーが資産価値を保証してくれているビットコインは、自国の通貨の価値が落ちたとしても、資産をビットコインに変えておくことでリスク回避が可能です。
こうしたビットコインの高い信頼性によって、世界初の国際的な基軸通貨となりうる可能性を秘めています。
また、総発行量が運用開始時からあらかじめ決められていること、世界で最初に作られた仮想通貨であり知名度が圧倒的に高いことも、その絶対的な資産価値を保証してくれています。
さらに、定期的に価格が上下することから、投資対象としての価値も高いです。
ビットコインは今後も価値は上がると見られている理由
結論から言うと、ビットコインは今後も価値が上がり続けると予想されています。
少なくとも東京五輪が開催される2020年から数年は価格が上がるとの見通しが立てられています。
それは一体なぜなのでしょうか。
以下のような理由が挙げられます。
2020年、ビットコインの「半減期」が訪れることでインフレが起きると見られる
ビットコインは、定期的に「半減期」と言うものを設けていて、次の半減期は2020年と言われています。
これは、ブロックチェーンシステム上においても非常に重要な作業であるマイニングの報酬が半減すると言う事象です。
この半減期は、コインチェックの長期的成長を目的として意図的にインフレーションを起こそうと言う取り組みになっています。
つまり、半減期を迎えることでインフレ、すなわち価格上昇が見込まれるので、ビットコインの価格は今後も上昇すると考えられているのです。
既存企業の参入が相次ぐことから期待感・信頼性によって価格が上がると見られる
2017年のビットコインバブルと同じような急激な価格の高騰が、2019年夏に起こったことは記憶に新しいでしょう。
2017年のバブルでは、正直なところ根拠のない期待感が後押ししていたところがありました。
しかし2017年と違い、2019年の高騰には明確なファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)があります。
それは、既存の大手企業であるFacebookが仮想通貨取引への参入を表明したこと(リブラと呼ばれるFacebookの仮想通貨システム)や、マイニング企業最大手のBitmainがIPOを目指していると言うことが挙げられます。
Facebookの仮想通貨リブラは、既存の法定通貨との連動を目指す画期的なアイディアで安定した資産価値を誇る仮想通貨の創造を提唱。
これにより認知度を急激に高めることによって業界への大きな刺激となるでしょう。
業界にBitmainによるIPOは一度は失敗に終わりましたが、再度IPOを目指すことを発表しており、期待感が高まることが見込まれています。
世界的な金融緩和の流れからビットコインにとって追い風になると見込まれる
欧米の中央銀行や、日銀などによる国際的な金融緩和の動きが加速していることも理由として挙げられます。
米国や欧州の大規模な金利安を筆頭に、世界的に金融緩和策が進むことで、通貨安や低金利が加速することにつながり、ビットコインにとって追い風となることが期待されています。
まとめ
以上、世界最初の仮想通貨であるビットコインの特徴から、2019年時点での値動き、ビットコインを使う上でのメリットや今後の将来性を一通り説明しました。
仮想通貨は様々に生まれていますが、世界的にも圧倒的な知名度と最も長い歴史を誇るビットコインは、今後も資産価値は上がると見られ、その信頼性は非常に強いものとなっています。
ただし、多くの仮想通貨と同様に需要のみを価値の基準とするビットコインは、定期的に暴落する可能性も秘めており、まだまだ改善すべきところもあります。
仮想通貨の歴史はまだまだ発展途上にあり、ビットコインをめぐる事情も刻一刻と変化を続けています。
既存企業の参入により、ますます盛り上がると見られる仮想通貨業界の動きは、より一層加速していくと考えられます。
そのため、投資対象とする場合は特に、毎日の値動きや情勢の変化を常に注視していく必要がありそうです。
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