近年、毎日のように多くの投資手法のニュースを見かける機会が多くなりました。
しかし、実際に効果がある投資手法というのはほとんどなく、結局は昔から使われてきた手法だけが重宝されています。
今回は、そんな投資手法の中でも王道で、もっとも堅実な投資手法と言っても過言ではないドルコスト平均法について解説していきます。
情報に流されてしまっていた方やどのように投資をしていいかわからないという方は、ぜひ今回の内容を頭に入れておきましょう。
Contents
ドルコスト平均法の概要
早速、ドルコスト平均法の概要について解説していきます。
ドルコスト平均法の手法
ドルコスト平均法は、金融商品を一括で一気に購入するのではなく、決まった期間(たとえば毎月1日など)で一定額ずつ購入する方法のことを言います。
安いときには多く買い、高いときには少しだけ買うということですが、これの何がよいのかと言うと、買付の金額が平準になっていくということです。
投資の神様と言われているウォーレンバフェットの鉄則として知られる「ルール1、絶対に損をしないこと。ルール2、ルール1を絶対に忘れないこと。」のように、とにかく投資は利益よりも損をしないことが理想とされています。
つまり、このドルコスト平均法は、高値掴みのリスクを減らし、損失のリスクを最大限に減らす方法と言えます。
ドルコスト平均法の名前の由来
英語では「Dollar-Cost Averaging」と表記され、「Dollar」は米国ドルを指すわけではなく、アメリカでは「お金」という意味で記されています。
そのため、直訳すると「資産の平均化」のニュアンスに近いため、ドルコスト平均法と言われています。
シミュレーション
実際に例を見て実感してみましょう。
あくまで概算ですが、毎月10万円分の株式を買う場合、6ヶ月60万円分を購入することになります。
ここで、1ヶ月の価格が、1000円、1200円、900円、1100円、800円、1000円という価格推移している場合、610口の購入ができ、平均単価が約983円で購入できます。
逆に、毎月10口購入した場合、600口購入することになり、1000円の平均単価になります。
つまり、毎月定額を買うと、それだけで割安で買えたことになります。
売買のタイミングを考えなくてもよい
ドルコスト平均法は中長期的な投資手法で、かつ一定期間で買い付けるため、チャート分析などが必要なく、売買できるのがメリットです。
そのため、一度銘柄を決めたら、あとは何もせず毎月決まった日に決まった額の株式を買い付ければよいため、本業で忙しい方などにもオススメの手法です。
しかし、タイミングを見ないとは言え、定期的な資産管理は必要ですので、チャートを見ることはせずとも、価格や利益額などは必ず管理しておきましょう。
ドルコスト平均法にデメリットはあるのか?
では、一見すると完璧に見えるドルコスト平均法ですが、デメリットや注意すべき点も当然ながら存在します。
毎回の購入に手数料がかかる
先ほど紹介したシミュレーションには購入にかかる手数料を含んでいないですが、実際には購入するごとに買付手数料が発生してしまいます。
とくに、実店舗を持つ証券会社などは手数料が高いため、利益や平準化されたメリットがなくなってしまう可能性もあります。
景気の状況などにもより、経済状況がよくない場合は、手数料などのせいで元本割れのリスクもあり、一括して購入した方がよい状況もあります。
大きな利益が出にくい
ドルコスト平均法の特徴は、買い付けの金額を平準化することで、大きなリターンを得にくいという点があります。
もちろん、マイナスになりにくいというメリットがあるため、何を重視するかによってドルコスト平均法を使うかは決めるべきです。
また、長期投資として総合的なプラスを目指すため、短期的利益を望む方は向いていません。
初心者の方で短期的にも利益が必要な方は、ドルコスト平均法で少しずつ長期投資用の銘柄を買いつつ、短期投資用の銘柄を購入するというパターンがオススメです。
損切りする必要がある場合もある
経済状況により右肩下がりや手数料の関係で元本割れがひどくなることも投資ですので、損切りすることもあり得ます。
銘柄選びなどに失敗した時点で、ドルコスト平均法でも損失が出続けてしまう場合は、損切りをしないといけない場合も生まれます。
しかし、長期スパンでの投資なので、一時的な景気の下落や元本割れで損切りをしてしまわないことも注意しましょう。
デメリットを最小にして堅実なリターンを見込むには?
ここまで、メリットデメリットを解説してきましたが、デメリットを最小にしてメリットを最大に活かす方法がありますので、簡単に紹介します。
とにかく手数料の低い証券会社を選ぶ
まず、手数料が毎回かかってしまうというデメリットは、手数料の低い証券会社でデメリットを最小にしましょう。
ネット証券は手数料がとても安いため、ほとんどデメリットを消すことができます。
とくに、SBI証券・楽天証券は最安手数料となっているのでオススメです。
ネット証券の口座開設はオンラインで開設できます。
ネット証券であれば、毎月の手数料で発生する無駄な損失を極限まで減らせるので、持っていない方はこの機会に開設しておきましょう。
長期投資銘柄として分析する
とくに、ドルコスト平均法で売買タイミングやチャート分析が必要ないと言っても、もともとの銘柄選びの際に必要な企業分析は必ずしましょう。
長期投資銘柄としての銘柄選びのため、財務諸表をはじめ、四季法や決算書を読んだうえで経営状況を判断していくことで、元本割れなどのリスクを減らすことができます。
分散投資でドルコスト平均法を使う
どうしても一つの銘柄だけでドルコスト平均法をしてしまうと、その銘柄に資産が依存してしまうので、分散投資は投資の鉄則です。
つまり、分散投資とドルコスト平均法を使うことで、よりリスクを最小に抑えることができます。
とくに近年は、インデックスファンドというものがあります。
インデックスとは、一つひとつの銘柄の動向に注目するのではなく、市場全体あるいは特定の銘柄群がどのように動いているかを集約させたものです。
よく聞く日経平均やS&P500はインデックスです。
これらを利用したインデックスファンドとは、インデックスの構成銘柄を均等に買うことで、インデックスと同じ投資成果を出すファンドです。
インデックスに連動しているため、運用コストをさらに抑えることができます。
初心者の方などで、まだ企業分析ができない方や財務諸表の見方がわからないという方は、初めの一歩として、インデックスファンドに任せるというのも選択肢の一つとして考えてもよいでしょう。
まとめ
今回は、初心者の方でもわかるようにドルコスト平均法について解説してきました。
投資手法の王道とも言われる理由やなぜここまでリスクが少ない投資手法と言われるのか理解できたのではないでしょうか。
とくに、初心者の方で損失を出したくない方には、最適で陸巣も少なく、かつシンプルな方法なので、非常にオススメの投資手法です。
売買タイミングも選ばずに済むので、忙しい方や日中にチャート分析などができない方にも効果的に投資ができる手法は、ドルコスト平均法の他にほとんどありません。
今回をきっかけに、ぜひドルコスト平均法に挑戦してみてはいかがでしょうか。