二月に決算を行い、株主に対して配当を出す企業の中から、配当利回りでトップに立つ4つの銘柄を利回りが高い順番に紹介します。
中長期的な株式投資を行う上で、配当利回りの高い銘柄を選ぶことは重要な意味を持っていますから、少しでも条件の良い銘柄を投資先に選択しましょう。
なお、今回紹介する株価や利回りは、2019年11月のデータを基にしてお伝えしていきます。
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チヨダ(8185)
配当利回りは4.48%
チヨダの株価は1,651円を付けており、1株あたりの配当は74円となっていることから、現在の株価から計算した利回りは4.48%に及んでいます。
仮に1,000株を購入する場合、必要な予算は1,651,000円となり、そこから期待できるリターンは74,000円です。
チヨダの配当金は過去4年間でいずれも70円以上という高い水準にあり、しかも微増ながら増配を続けている企業なので、投資家からの注目が高まっています。
会社についての基本情報
チヨダは靴量販店の大手として東京都を中心に店舗数を拡大させており、東京靴流通センター、マックハウスといった店舗を経営していることで知られています。
全年齢を対象とした店舗作りを進めているため、紳士靴や婦人靴の部門では売り上げが停滞していますが、子ども靴で利益を高めることに成功しています。
売上高や純利益は前年度微減という結果に終わりましたが、不採算部門や経費の削減を進めた結果増配は維持しており、翌年も同水準の配当に期待できる銘柄です。
株価の推移
率直に言えばチヨダの株価推移は決して芳しいものではなく、18年1月に3,100円をマークして以降は断続的に株価を下げ続けてしまっています。
18年7月に2,500円を割り込んでからは、一度もこの水準にまで株価を押し戻すことができておらず、19年7月には1,500円すらも割り込んでしまいました。
しかし現在は若干の回復傾向を見せており、1,600円のラインで支えられ上に向かう動きを見せているため、買い時と判断できる銘柄と評価することもできます。
和田興産(8931)
配当利回りは4.30%
和田興産の株価は790円を付けており、1株あたりの配当は34円が予定されているため、現段階での配当利回りは4.30%として計算できます。
和田興産の株を1,000株保有する場合に必要な資金は790,000円で、そこから期待できる配当のリターンは34,000円です。
前年度は32円の記念配当を出していましたが、今回はその記念配当から2円の増配となる34円の配当が予定されているため、好調な企業であると考えられます。
会社についての基本情報
和田興産は関西圏での分譲マンション売却を手掛ける不動産会社で、特に神戸市内では高い知名度を誇り、分譲の分野では首位に立っています。
売却のみならず、リフォームなどのアフターサポートにも力を入れている企業であり、これまで後れを取っていた大阪府内での営業にも活路を見出している最中です。
今期は消費増税前の駆け込み需要もあり、特に高級路線の物件売却が好調で、初期契約率も8割以上という業界でもトップクラスの成績を残しました。
17年度から3年連続となる増配が決まった将来性ある銘柄であり、低位株でもあるため、株価の上昇を期待した買い注文を入れる投資家も増えています。
株価の推移
ここ2年間でのピークは18年1月に記録した1,160円で、大きく上げた反動から長く800~900円台を行き来し、18年12月にはもう一段階株価を落としました。
19年3月以降は非常に安定した値動きを見せ、750~800円という株価に収まっていましたが、現在は緩やかな上昇を見せて800円台目前にまで迫っています。
800円を突き抜けて18年初頭の株価にまで戻して行けるかは未知数ですが、業績は確実に向上していますから、買い候補に加えて違和感のない銘柄です。
ツヴァイ(2417)
配当利回りは4.26%
ツヴァイの株価は現在705円を示しており、1株あたりの配当は30円であるため、このままの水準を維持すると配当利回りは4.26%と高水準を維持できます。
1,000株を取得する際にかかる費用は705,000円で、この場合、配当として期待できるリターンは30,000円です。
ツヴァイの配当金は安定しており、14年度から7期連続で30円の配当となっていますから、変動が少なく信頼できる銘柄を選んでいる方には特におすすめできます。
会社についての基本情報
ツヴァイはコンピュータを活用した愛称判定を導入する結婚相談所大手で、イオン系列という強いバックを持つことから信頼度が高く、最大手の一つとして利用されています。
景気回復による好影響が一般にまで浸透していない影響を受け、入会者数は微減になっていますが、オプションメニューを強化するなどの対策で巻き返しました。
特にお見合いの要素を含んだ新プランは全国的に話題となり、知名度を高め、売上高を上げて純利益の黒字を確保したことが高配当の維持にも繋がっています。
株価の推移
週足の株価で過去2年を遡っていくと、最高値を付けているのは18年2月時点の880円で、そこからは入会者数が伸びずに株価も低迷しています。
特に19年1月頃からは急落し、700円を割り込む動きも見せましたが、現在は700円前後で細やかな株価の変動を見せ安定感が出てきました。
現在は一つの壁となっていた700円を上回った状態を維持していますから、この後も企業の改善策が功を奏せば、再び800円を目指しても決して不思議ではありません。
トーヨーアサノ(5271)
配当利回りは4.07%
トーヨーアサノの株価は1,841円で、1株あたりの配当は75円となっているため、配当利回りとしては4.07%を期待することができます。
1,000株を購入するために必要な予算は1,841,000円と若干高額になりますが、リターンとしては75,000円に達する銘柄です。
前年度の配当100円と比べると減配になりますが、17年度には25円の配当だったことを踏まえれば3倍の配当であり、高水準であることは間違いありません。
会社についての基本情報
トーヨーアサノはコンクリート二次製品を取り扱う中堅企業であり、主に中低層ビルに使用する資材や、トンネルの内部構造に使う資材を供給しています。
現在は国際帝石などと組んで新会社の設立を行い、21年度からはクライアントを増やし、電力や蒸気といった分野の供給を強化する見通しを立てている最中です。
今年度は主力製品の需要が低下したことを理由に、前年度の大きな増配から引き下がる配当となりましたが、今後の事業次第では再びの増配を見込めます。
株価の推移
トーヨーアサノの株価はここ一年間非常に安定しており、日経平均や国際情勢などの影響をほとんど受けることなく、1,700~1,800円台をキープし続けています。
18年度には大幅な需要増により業績を上げたことや、増配を行ったことをきっかけに一時7,830円にまで上昇しましたが、これは様々な思惑が絡んだ異常人気と判断できます。
今後の業績の推移には注視する必要がありますが、元の水準を取り戻した妥当な株価を付けているため、長期投資の対象にも含められる銘柄です。
まとめ
二月に配当を出す企業の銘柄をチェックしてみると、利回りでトップ4に入る銘柄はすべて4%以上を見込めるため、投資しがいのある銘柄に絞り込むことができます。
前年から見て減配している企業もありますが、経営の立て直しを図る最中の前向きな企業が多く、いずれも投資対象として見ることができるでしょう。
和田興産とツヴァイは19年11月時点でいずれも700円台の低位株なので、少ない予算を効率よく投資に回したい方にもおすすめです。