ポジショントレード以上のスタンスで株式投資を行う投資家にとって、株価変動以外の要素で確実にリターンを受けられる配当は極めて重要な制度です。
より条件が優れた配当を確保するために、六月決算の中から選ぶべき優良銘柄を4つピックアップしてお伝えしていきます。
なお、株価や配当利回りの数値には、2019年11月8日現在のデータを用いています。
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ウェルネット(2428)
配当利回りは5.91%
ウェルネットの株価は846円を指しており、1株当たりの配当が50円であるため、期待できる配当利回りは5.91%という高い水準になります。
1,000株を購入するために必要になる予算は100万円を切り846,000円で、そこから得られるリターンは配当だけでも50,000円に達する銘柄です。
配当は17年度から連続して50円をキープしており、これはその前年の特別配当である40円を上回る数字なので、急激とも言える成長を見せていることがわかります。
会社についての基本情報
ウェルネットは決済サービスの代行業者大手であり、特にコンビニとの提携が強く、プリペイド式の電子マネーやチケッティングサービスも展開しています。
近年の電子マネー普及が追い風となる反面、競争相手の急増を受けて低価格化にも踏み切りましたが、販促費を抑えることにより配当をキープさせました。
現在はJR東日本との共同開発を進めており、既に実験での導入も済ませているため、成果次第ではさらなる成長に期待できる企業とも評価できるでしょう。
北海道を拠点に技術開発を進めてきましたが、東京への進出を行い、優秀な技術者の雇用増を推し進める狙いを持った経営戦略を取っています。
株価の推移
週足で株価の推移を見ていくと、18年5月に付けた1,310円をピークに低迷しており、現在も下降トレンドの中にあると考えられます。
しかし19年10月の690円で下げ止まりの気配も見せており、10月末には大きな陽線も出現させるなど、株価上昇の雰囲気が見えてきました。
今後の回復を見込み、逆張りでの買い注文をトレードの手法としている投資家にとっては、狙い目として紹介できるおすすめの高配当銘柄です。
アーバネットコーポレーション(3242)
配当利回りは5.84%
アーバネットコーポレーションの株価は407円なので、配当だけを見れば24円と平凡ですが、利回りに換算すると5.84%にまで膨れ上がります。
407,000円ほどで1,000株を購入できる銘柄でありながら、その投資額で24,000円のリターンを受けられるので、注目株の一つであることは確実です。
配当は前年度の18円から大幅な増配となり、18年度の特別配当16円よりも大きな数字となっているため、成長率の高さも特筆すべき事柄と言えるでしょう。
会社についての基本情報
アーバネットコーポレーションでは、主に投資用ワンルームマンションの開発や設計を行っており、幅広いタイプの住宅販売を手掛けることで知られています。
建設にかかるコストは年々増加していますが、販売数そのものを着実に伸ばしたこともあり、増配を実現させることに成功しました。
既に開発用地として880戸分の確保にも成功しているため、今後の事業に関する見通しも立っており、業績のアップに期待できる注目の企業です。
連日10万株前後の出来高を伴っており、今回紹介する4銘柄の中では最も流動性が高い銘柄でもあります。
株価の推移
過去2年の株価の推移を辿ってみると、400円が大きな壁として立ち塞がっており、400円を超えたところで値を下げ、18年12月には一時315円を記録しました。
19年に入ってからは株価の安定を保ったまま着実に上げており、8月からは連続して陽線を出現させるなど堅調に推移し、現在は400円を超えた株価を維持しています。
業績が好調であることに加え、高い利回りの配当を維持している銘柄なので、投資家からの信頼が集まりやすく、今後の株価上昇に期待できる銘柄です。
THEグローバル社(3271)
配当利回りは5.25%
THEグローバル社の株価は現在476円で、1株当たりの配当は25円であるため、5.25%という高水準なリターンに期待できます。
1,000株の投資に必要な金額は476,500円と低価格に収まりますが、ここで得られる配当金は25,000円なので、注目銘柄の一つです。
3期連続で25円の配当を維持しており、過去7年を見ても現状維持と増配を繰り返しており、右肩上がりの状態で配当を増やし続けている銘柄でもあります。
会社についての基本情報
THEグローバル社では、首都圏を中心としたマンション分譲を手掛けるグローバル・エルシードをはじめとする企業を傘下に持つ企業です。
マンションのみならずホテルや戸建ても取り扱っている他、建物の管理や販売代理業など、数々の事業をこなすほか、スキームの見直しによる経営健全化も検討しています。
ホテル産業においては、特に注力している京都で大手が多数参入したことによる競争に巻き込まれましたが、ダメージを最小限に抑えて配当を維持しました。
株価の推移
ピーク時は18年1月で1,196円を付けましたが、これは個人投資家による様々な思惑が入り乱れた結果とも考えられ、長く800~900円のレンジを維持してきました。
18年10月から19年1月にかけて下落を続けましたが、500円のラインが下支えになって盛り返し、一時は600円を回復しています。
その後は一時400円を割り込む動きを見せましたが、現在は500円台に向けて動き直しており、下降トレンドながらも動向に注目すべき銘柄です。
トラストホールディングス(3286)
配当利回りは4.37%
トラストホールディングスの株価は現在375円を示しており、1株あたりの配当金は16.4円なので、利回りに換算すると4.37%になります。
仮に1,000株を取得したい場合、費用の目安となるのは375,000円を高額とは言えず、リターンとして16,400円の収入を期待できる銘柄です。
配当は15年から16.4円のままキープさせており、純利益が赤字決算だった当初から据え置きであるため、安定性という面では強い期待を持てる銘柄と言えるでしょう。
会社についての基本情報
トラストホールディングスは駐車法の直営や管理受託を行う中堅企業で、温泉や水素水事業などを幅広く手掛ける企業として営業利益を重ねています。
今期は劇的な利益増に繋げたとは言い難い業績ですが、不採算が続いていた駐車場部門でのリストラを敢行したことにより赤字を縮小させ、営業益を反発させました。
温泉事業に関しても赤字が続きましたが、宣伝の強化などによって知名度を高めている最中であり、黒字への転換も現実的な目標になっています。
株価の推移
過去2年間に渡って非常に安定した株価をキープさせていることがトラストホールディングスの特徴になっています。
18年12月には306円という最安値を付けましたが、直後に反発するなど余力を見せた値動きであり、350円のラインを下支えにして上を目指す銘柄です。
良い意味でも悪い意味でも大きな変動のない業績をそのまま反映させたような株価の推移なので、なるべく静かな株で長期投資したいという場合には注目すべきでしょう。
まとめ
六月決算の銘柄には、5%を上回る配当利回りを誇る優秀な銘柄が3つ含まれているため、購入のタイミング次第では大きな利益に期待することができます。
業績が低迷している企業もありますが、業績から見て過剰人気な銘柄は無く、安心して参入できる銘柄が揃っていることも特徴的です。
また、300~400円という株価で購入できる低位株も多いので、多額の予算は作れないという方の投資にも向いた月間と言えます。