十一月に決算を発表する企業はさほど多いとは言えませんが、それでも高配当を提示する企業を見つけることはできます。
この時期に投資するとお得な利回りを提示している企業を4つ取り上げ、それぞれの配当履歴などを振り返っていきますから、参考にしながら銘柄を選んでください。
なお、株価や配当利回りのデータには、2019年11月8日の終値を利用しています。
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サムティ(3244)
配当利回りは3.64%
サムティの株価は2,117円で、今回紹介する銘柄の中では最も高額な株になりますが、配当は1株あたり77~78円を予定し、利回りは3.64%に到達します。
1,000株を取得するために必要な金額が2,117,000円に達することに対し、得られるリターンは77,000円と高額になり、今月においては狙い目の銘柄と言えるでしょう。
配当は前年度の77円を維持、あるいは増配となることが決定しており、これは15年の33円から2倍以上となる金額で、3期連続の増配中銘柄です。
会社についての基本情報
ファンドや一般投資家に向けて新築マンションやリノベーションマンションの販売を手掛けているのがサムティです。
近年ではホテル事業も拡大させており、特に京都ホテルの売却益が想定を上回るなど非常に好調で、主軸に据えているマンション売却も高水準を維持しました。
大和証券グループとの提携を結んだことによって、富裕層に向けた販売ルートを確保し、今後は高級路線のマンション売却にも期待を持つことができます。
着実に売上高を伸ばし、それを配当という形で株主に還元し続けている今が旬の企業としておすすめできる銘柄です。
株価の推移
サムティは過去2年という範囲全体で見ても安定して株価を上げ続けている銘柄であり、業績がしっかりと株価にも反映されていることがわかります。
18年12月という地合いが劣悪な時期も1,100円台をキープして反発させており、1,400~1,600円で揉み合いを続けた後に陽線を連続させ、2,000円台を突破しました。
特に19年10月からの伸びは大きく、約1ヶ月間で150円以上の株価上昇を達成させるなど、まさに成長過程にある銘柄と言えます。
右肩上がりで業績を伸ばしていますから、このままの勢いでさらに株価を上げ続けたとしても何ら不思議ではありません。
モリト(9837)
配当利回りは3.20%
モリトの株価は812円を示しており、100株当たりの配当は26~27円が予定されているため、配当利回りとして期待できるのは3.20%です。
1,000株を購入するためには812,000円の資金が必要となり、26,000円のリターンを受けられるので、100万円以下の投資としては高水準と言えるでしょう。
前年度の配当は26円であることから、20年度の配当では現状維持、あるいは増配が予定されており、4期連続で20円超えの配当を提示している銘柄です。
会社についての基本情報
モリトは老舗服飾付属品メーカーであり、特にアメリカの企業買収によって金属ホックのシェアを伸ばし、世界首位にまで躍り出ました。
しかしその海外全般において業界が低迷を見せており、国内の需要に頼るような経営が続きましたが、作業服向けの出荷が好調で高配当の維持に繋がっています。
自動車向けの内装資材にも参入し、こちらも堅調に業績を伸ばしていることから知名度が向上中であり、さらなる成長を見込める企業と評価できるでしょう。
株価の推移
18年夏ごろまでは1,000円台をキープする銘柄でしたが、日経平均株価の低迷を正面から受ける形でチャートを加工させ、同年末には700円を割り込ませています。
その後は主に750~850円を行き来する値動きが繰り返されており、ポジショントレードにおいては700円台のタイミングには買いチャンスがあると考えられるでしょう。
高利回りであることから投資家からの人気が高く、業績が上向きになる可能性も秘めていますから、再び1,000円台を目指す可能性も考えられます。
ノダ(7879)
配当利回りは3.18%
ノダの株価は786円を付けており、1株当たりの配当は25円になるため、配当利回りとして3.18%を期待することができます。
1,000株の購入には786,000円が必要となり、この金額の投資を行った場合に得られるリターンは25,000円です。
18年度から3年連続で25円の配当を出しており、ここ数年は足踏みが続いていますが、14年から一度も減配を経験したことのない銘柄でもあります。
会社についての基本情報
ノダは木造住宅の建造メーカーとして知られており、特に戸建て住宅には強く、リフォームやリノベーションといった事業にも参加しながら業績を伸ばしています。
ハウスダストなどによる悪影響が及ばない健康に配慮した設計と施工に定評がありますが、物流費の高騰という結果に直面し今一つ伸びが生まれませんでした。
海外からの輸入コスト工場を受け、国産の資材を用いる方針へとシフトを図っており、効率化を推進することができれば純利益の急増にも期待することができます。
株価の推移
ノダは18年1月のピーク時には1,566円を付けていたため、現在の800円台付近という水準は割高ではなく、長期投資にも耐えられる銘柄と考えても構いません。
株価を下げた主な原因は他の銘柄と同様日経平均の影響であり、実際に最安値を付けたのも18年12月です。
19年度は1月から700~800円台を行き来していますが、往復する動きは少なく、安定して上昇させていることが特徴的と言えます。
緩やかながら確実に復調させている銘柄であるため、配当を見越して購入した結果、売買益も確保できるという結果を得られる可能性もあるでしょう。
サーラコーポレーション(2734)
配当利回りは2.95%
サーラコーポレーションの株価は645円であり、1株あたりの配当は19~20円が予定されているため、ここから期待できる配当利回りは2.95%です。
19,000円の配当を確保するために必要な1,000株を取得するためには、645,000円の投資額が必要になる計算で、比較的気軽に購入できる価格と言えるでしょう。
19年度には19~20円の記念配当が予定されており、20年度もこれを引き継ぐ配当が出る可能性が高く、14年の11円から配当は右肩上がりに上昇を続けています。
会社についての基本情報
サーラコーポレーションでは住宅に関連する事業を行っており、建設工事のほかに販売そのものを手掛け、さらに都市ガスやLPガスの導入も行っています。
ガス関連事業の売上は落ち着きを見せていますが、天然ガスの需要が上がったことによる好影響を受け、極端な荒天に見舞われなければ安定した経営が続く見込みです。
近年では中部ガスなどを合併させて経営の効率化を達成させており、主に愛知県や静岡県内において地域振興を支援する様々な事業を行っています。
株価の推移
サーラコーポレーションの株価は急変動をしない手堅い値動きを見せやすく、スイングトレードやポジショントレードにも向いています。
例えば18年1月から10月にかけては650~700円の往復を繰り返しており、一段下げた19年1月から11月にかけても550~650円の往復を何度も見せています。
地合いの影響を受けることも少なく、その点では長期投資でも安定性がありますから、配当目当ての投資対象として優れていることは確かです。
まとめ
十一月決算の企業からは、3%以上の配当利回りを出す銘柄を見つけられませんが、安定感のある銘柄に投資できるチャンスがあります。
4銘柄中3つの銘柄は1,000円以下で購入できる銘柄なので、少ない予算を投資に生かしたいという方も注目すべき月間です。
増配、あるいは現状維持を果たす銘柄は来期以降も安定した利益を生んでくれる可能性が高いため、積極的に投資対象へと加えましょう。