十月に配当を出している銘柄の中から、特に注目すべき高利回りの銘柄を抽出して、上位4銘柄について詳しく紹介していきます。
今月は低位株が2つ、1,000円以上の株が2つとバランスの良い月間になっていますから、予算に応じて投資先を決定しても良いでしょう。
なお、株価や配当利回りの数値は、2019年11月のデータを用いています。
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エイケン工業(7265)
配当利回りは3.95%
エイケン工業の株価は2,531円で、配当として予定されているのは1株あたりちょうど100円ですから、配当利回りは3.95%という計算が成り立ちます。
1,000株の取得には2,531,000円が必要で、今回紹介する銘柄の中では最も大きな予算を擁しますが、その場合の配当は100,000円の大台に乗ります。
エイケン工業は18年度から3期連続で配当100円の実績を残しており、売上高や純利益といった数値も安定しているため、長期投資にも向いた銘柄です。
会社についての基本情報
エイケン工業は補修用自動車フィルターをはじめとする製品の開発と販売を行っており、全メーカーに適応できる対応力の高さに定評があります。
海外向けの取引では、特に欧州市場で苦戦を強いられましたが、主力の国内向け製品の売上が順調であり、不採算部門をカバーする形で配当の維持に繋げました。
新しい提携先であるタマシンフィルタとの関係が良好で、来期に向けて製品の供給を増やしている最中でもあり、今後も安定した業績を残すことに期待できます。
株価の推移
エイケン工業の株価推移を週足で見ていくと、普段はあまり大きな変動を起こさない特徴があることが分かります。
特に17年12月から18年9月頃にかけては3,300~3,500円を行き来するなど、高値圏であることも手伝って高い安定性を見せる銘柄です。
しかし地合いに引っ張られる形で18年12月末には2,020円まで株価を低下させ、最近は2,500円付近を取引が進められていました。
同年8月からは3,000円に回復させる動きを見せましたが、現在は2,500円前後にまで値を戻しており、仕込みのチャンスと見ることもできるでしょう。
日本ハウスホールディングス(1873)
配当利回りは3.93%
日本ハウスホールディングスの株価は509円で、1株あたりの配当は20~22円となっているため、20円換算の場合の配当利回りは3.93%です。
1,000株取得にかかる費用の目安は509,000円ですが、リターンとしては20,000円が配当として提供される予定になっています。
20~22円という配当は前年度を維持した数字であり、18年度の記念配当である25円には及びませんが、17年の20円、16年の15円をいずれも上回る数字です。
会社についての基本情報
日本ハウスホールディングスは、岩手を基盤に全国展開を行っている企業で、住宅やホテル開発を手掛けており、特に在来型の注文住宅では大手として知られています。
木材加工等を子会社で行うなど経営の効率化を進めているほか、ホテルの建築を拡大させる動きを見せ、さらにマンション建設にも本格参入を果たしました。
今年度は住宅の売却が好調を維持しており、ホテルの減収が認められたものの好転傾向に入り、前年度と同水準の配当を確保することに成功しています。
株価の推移
過去2年間においては、17年12月に付けた762円という株価が最高値であり、そこからは下降トレンドに差し掛かって18年12月に最安値の361円を付けています。
その後は約1年間に渡って400~500円のレンジ内で株価を変動させており、ポジショントレードでも成果を出しやすい銘柄の一つと考えることが可能です。
現在は天井となっていた500円を上回る株価に落ち着いていますから、今後の業績次第では一気の上昇にも期待できる銘柄と見て良いでしょう。
アールエイジ(3248)
配当利回りは3.82%
アールエイジの株価は654円であるため、1株当たりの配当が25~30円に設定されていることを鑑みると、3.82%の配当利回りをもたらす銘柄です。
1,000株取得に必要な最低金額は654,000円と100万円を大きく下回るため買いやすく、その投資額でも25,000円の回収を目指すことができます。
配当は前年度の25~30円から微増となり、18年の30円に届くかは微妙な情勢になっていますが、5期連続での配当20円超えが決定的で安定感のある銘柄です。
会社についての基本情報
アールエイジはマンションの管理を主な事業内容に据えており、特に東京都内では大小の規模を問わず様々な物件に関与し、着実に収益を重ねています。
既存物件の管理のみならず、自社で開発した物件の販売も手掛けており、特に介護付き老人ホームなどの売却が好評です。
昨季は新規の取り扱い物件が増加したものの、思うような成績を残すことができず減配となりましたが、今期は売上高や純利益を回復させ増配の気配があります。
株価の推移
過去2年間の週足では、18年3月の1,179円がピークになっており、その後は800~850円というレンジで売買が進められてきました。
18年末に市場全体の暴落が起こったことが原因で一時は486円にまで下げましたが、そこからは堅調に推移し、700円付近にまで戻す動きを見せています。
今年度以降は都内一等地におけるマンション管理等の業務も増加する見込みとなっており、これを機に株価の再浮上が見られる可能性も大いにあるでしょう。
ファースト住建(8917)
配当利回りは3.23%
ファースト住建の株価は1,332円で、1株あたりの配当として予定されているのは43~45円であるため、期待できる配当利回りは3.23%になります。
1,000株に対する投資額は1,332,000円ですが、配当として43,000円以上のリターンを実現させられるため、要注目の銘柄です。
今年度の配当は、前年度の記念配当である43~45円と同様の条件であり、14年に行われた37円の配当から一度も減配を経験していない優良銘柄でもあります。
会社についての基本情報
ファースト住建は、戸建て分譲住宅を主に手掛ける不動産業者であり、旧飯田建設加古川支店から暖簾分けするという形で1999年に独立を果たしました。
注文住宅の分野は特に好調を維持しており、早期段階で目標を達成させたものの、建売における労働者確保に難航し苦戦を強いられています。
一方で売却時の単価そのものは向上しているため安定感があり、ベトナム人技能実習生を受け入れるなど、近代化やグローバル化を推進させている企業でもあります。
株価の推移
週足ベースで株価を確認すると、28年2月から下降トレンドに入り、ピーク時は1,800円台だった株価が一時1,100円を割ってしまいました。
市場全体の動乱が収まりを見せた19年1月以降は1,200~1,300円の株価で取引されることが増え、緩やかな上昇トレンドに差し掛かっています。
現在は18年10月頃の水準にまで株価を押し戻すことに成功しており、旗色は決して悪いものではありません。
業績に注視する必要はあるものの、出来高も決して少なすぎない銘柄であるため、十月に注目すべき銘柄の一つであることは間違いないでしょう。
まとめ
十月に配当が実施される上位4銘柄はいずれも配当利回りが3%を超え、中には4%を実現させる可能性のある銘柄も含まれています。
500,000~700,000円前後の資金で1,000株を調達できる銘柄もありますから、予算に応じて投資先を決定するという手法を用いても良いでしょう。
また、どの銘柄も配当に大きな波が無いことも特徴的ですから、一つの銘柄に絞って長期投資を行いたいという投資家にとっても注目の月間になります。