株主優待を上手に活用すると、それだけで衣食住のすべてを賄うことも不可能ではなくなるため、中長期のトレードを基本とする投資家は重視すべきイベントです。
三月にも数多くの企業が株主優待を行っていますが、特に投資家に利益とメリットを還元しているのはどの企業なのでしょうか。
株主優待のジャンルごとに注目すべき企業を紹介し、買い候補に加えるべき銘柄をお伝えしていきます。
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食品や食事券の株主優待を提供する企業
ゼンショーホールディングス(7550)
大手牛丼チェーン「すき家」などを運営しているゼンショーホールディングスでは、自社系列の店舗で使える食事券を株主優待として活用しています。
食事券は100株から1,000円相当を取得でき、300株3,000円、500株6,000円、1,000株12,000円、5,000株30,000円相当の食事券にまで条件が上がります。
3月だけではなく、9月にも内容の変わらない株主優待を実施していますから、最大で年間60,000円分の食事ができる投資が可能です。
系列ブランドとしては、すき家の他になか卵、ココス、ジョリーパスタ、はま寿司、花谷与兵衛、牛庵、モリバコーヒーなどがありバラエティに富んでいます。
株価は2,426円と決して安値水準ではありませんが、系列店でお食事をする機会が多いのであれば、取得しておいて損をすることは無いでしょう。
コロワイド(7616)
居酒屋をはじめとした飲食チェーンを多数経営するコロワイドでは、自社グループで利用できる食事券を株主優待に据えています。
優待を確保するためには500株以上の保有が必要になりますが、3月末時点の保有者には、6月と9月の2回に渡りそれぞれ10,000円分の食事券が提供されます。
株価は2,234円なので、株主優待を貰うためには100万円以上の資金が必要ですが、優待利回りに換算するとコストパフォーマンスが高い銘柄です。
この食事券はステーキ宮、かっぱ寿司、いろはにほへと、北海道、甘太郎、牛角、しゃぶしゃぶ温野菜などで使用することができます。
権利確定月は9月にも訪れ、年間を通して保有していると合計40,000円分の食事券が手に入るので、あちこちの店舗でお食事を楽しむことができるでしょう。
また、お近くにこれらの系列店舗が見当たらないということであれば、各地域の特選品の引き換えと優待内容を変更することも可能です。
商品券の株主優待を提供する企業
日産自動車(7201)
大手自動車メーカーの日産自動車が株主優待として用いているのは、5,000円相当のギフトカードとカタログギフトになります。
しかも日産自動車の株主優待は、100株以上の保有者全員に対して提供されていますから、71,000円ほどの投資で5,000円の優待を回収することが可能です。
優待は3月と9月の2回に渡って行われており、利回りが高いのですが、注意しなければならないのは優待取得の条件が特殊であることでしょう。
まずは100株以上の株主が日産車新車の購入希望者を紹介し、実際に成約することを待たなければなりません。
成約が認められると、紹介者には5,000円相当のギフトカードが、紹介された人物には5,000円相当のカタログギフトが進呈されます。
ただ株を持っているだけでは受け取ることができない優待なので、身近な所で日産車の購入を希望している人が見つからなければ、優待目的の購入は避けましょう。
クリエイト(3024)
クリエイトでは、100株以上を保有する株主への優待として1,000円分のQUOカードを用意しており、全員に対して同額をプレゼントしています。
クリエイトの株価は710円なので、100株を購入するために必要な資金は71,000円程度で、低額の投資で確かなリターンを獲得することが可能です。
何株を保有していても株主優待の内容は変わらないので、運転資金に一定の余裕があるのであれば、権利確定月に合わせて100株だけ保有しておくといいでしょう。
また、クリエイトは1株あたりの配当も14円なので、配当利回りとしては約2%に匹敵し、100株でも1,400円の現金収入を得ることができます。
株主優待と配当の両方を合わせると2,400円相当の収入になるので、どこでも使える資産を株の運用から手に入れたいと考える方との相性が良い銘柄です。
自社サービス系の株主優待を提供する企業
オリエンタルランド(4661)
東京ディズニーリゾートの運営会社であるオリエンタルランドでは、東京ディズニーランド、あるいは東京ディズニーシーのワンデイパスポートを株主優待にしています。
支給される枚数は100株で1枚、800株で2枚、1,200株で3枚、1,600株で4枚、2,000株で5枚、2,400株で6枚です。
ワンデイパスポートは大人7,400円で販売されていますから、最大で44,400円相当の優待を受けることができます。
オリエンタルランドでは、3月と9月の2回株主優待を行っていますが、9月は400株以上で1枚の配布となるため、3月のほうが条件としてお得です。
株価は15,180円なので、100株の取得に1,518,000円がかかる計算になりますが、総会にも参加できるので、ディズニーを強く後押ししたいというファンにはおすすめです。
タカラトミー(7867)
タカラトミーでは3月と9月の2回に渡って株主優待を提供していますが、特に3月期の株主優待はコレクター必見の内容になっています。
100株の保有者には2台、1,000株の保有者には4台のオリジナルトミカがプレゼントされ、2,000株以上の保有者にはさらにオリジナルリカちゃんが届くという内容です。
これは9月期には受けることのできない優待なので、非売品のグッズを入手したければ3月末までにタカラトミー株を購入しましょう。
さらに、100株以上を保有していると、タカラトミーグループの公式通販サイトで利用できる10%割引券がセットで提供されます。
継続保有期間が1年以上で30%、3年以上で40%割引になるので、トミカなどを購入することが多い方は長期投資することで大きなリターンが手に入るため注目です。
現在の株価は1,199円で、配当も1株あたり30円の利回り2.50%なので、トミカに興味が無いという方も一定の満足度を得られる銘柄になります。
日本航空(9201)
国内航空会社で実績が豊かな日本航空では、3月と9月の2回株主優待を提供しており、これを利用すると安く日本航空を利用できるようになります。
100~200株で1枚、300~400株で2枚、500~600株で3枚、700~800株で4枚、900~1,000株で5枚の国内線航空チケット割引券がプレゼントされているのです。
しかも割引額は50%と大きいので、仮に30,000円の航空チケットで優待を活用すると、100株あたり15,000円のリターンを受けられるという計算になります。
購入するチケットが高額になればなるほど優待利回りも上がっていくので、仕事や旅行で長距離の移動が多い方は100株でも購入しておいて損はありません。
ちなみに、日本航空は配当利回りも3.25%と高い水準にある銘柄なので、100株の投資には338,100円が必要ですが、それだけの価値は十分にあると言えるでしょう。
まとめ
三月には数多くの企業が配当を迎えるため、投資家にとってチャンスが大きく、食事券や商品券、各店舗が持つ独自サービスの利用権などが手に入ります。
優待利回りが高く、有名なレストラン等で使用できる株主優待を配布する企業も多いので、じっくりと買い候補を探しましょう。
今回紹介した銘柄の中には、配当利回りが高い銘柄も含まれているので、優待と合わせて配当も取れる長期投資向け銘柄を探す方にもおすすめです。