つみたてNISAとは何かご存じでしょうか。NISAという言葉自体はなんとなく知っていても、つみたてNISAという言葉は初めて聞く人も多いはずです。
ここでは、つみたてNISAについて詳しく説明し、そのメリットや従来のNISAとの違いについて解説していきます。
つみたてNISAに興味をお持ちの方、どんなものか知りたいという方は、ぜひ参考にしてみてください。
Contents
つみたてNISAとは?ポイントを6つ
つみたてNISAとは何かを、NISAについて復習しながら、そのポイントについて6つご紹介します。
これを読めば、NISAについておさらいしながら、つみたてNISAについて知ることができるでしょう。
①「少額投資非課税制度」のこと
NISAとは「少額投資非課税制度」の愛称のことです。
一般的には、株式投資などによる収益は課税対象となっています。
NISAなら、上限額はありますが、投資による収益は非課税です。
そのため、NISAによる運用は、節税に役立ちます。
そして、従来のNISAと比べると投資額が少なく、長期にわたって積み立てていく仕組みになっているのが、つみたてNISAです。
②つみたてNISAの取り扱いは証券会社や銀行
NISAを利用するためには、まずは証券会社や銀行などでNISA口座を開設する必要があります。
これは、今までのNISAと変わりありません。
また、日本に住む20歳以上の方がNISA口座を開設できることも、従来のNISAと変わりません。
③対象商品が「長期」「積立」「分散」型の投資信託・ETFのみ
今までのNISAの対象商品には、上場株式やETF、REIT、株式投資信託などがありました。
一方、つみたてNISAは従来型とは異なり、扱える金融商品が限られています。
「長期」、「積立」、「分散」型投資に適していると金融庁によって判断された「投資信託」と「ETF」のみです。
つみたてNISAの対象商品は、金融庁の基準を満たしたもののみが対象なので注意が必要です。
ETFとは日経平均株価などの動きに合わせて連動するように運用する商品のことです。
また、REIT(リート)とは不動産投資のことで、ビルやマンション、ショッピングセンターなどに投資することで、そこから賃料や不動産売買による利益を得ます。
④非課税枠は年間40万円
NISAには非課税枠が設けられています。
従来のNISAでは、1年の非課税枠は120万円でしたが、つみたてNISAの年間非課税枠は40万円です。
つまり、1年間に得る投資による利益のうち、40万円までなら税金がかかりません。
また、この非課税枠は翌年に繰り越すことはできません。
今年はつみたてNISAで20万円しか利益が出なかったからといって、来年に残りの20万円を繰り越すなどということはできません。
さらに、非課税となる期間も違います。
従来型の場合は、投資を開始した年から最長5年が非課税ですが、つみたてNISAは非課税の期間が最長20年です。
ただし、従来のNISAの場合、ロールオーバーを利用すると最大10年間まで非課税期間を延長できます。
つまり、つみたてNISAは細く長く積み立てることで、利益を得られる仕組みです。
⑤NISA口座は一人一口座まで
NISA口座は一人一口座までしか保有できません。
一度NISA口座を開設してしまうと、他の口座にすぐに変更することができないため、開設時には慎重に検討しましょう。
⑥取扱商品は金融機関によって異なる
NISAの取扱商品は、金融機関によって異なります。
つみたてNISAを扱う証券会社や銀行はかなり多く、金融機関によって商品ラインナップは違います。
そのため、口座を開設する前にじっくりと商品ラインナップを比較してください。
基本的には、取り扱う商品の多さ、ポイント優遇制度やサービスが充実しているかなどと比較して、金融機関を選びましょう。
つみたてNISAと従来のNISAとの違いとは?
つみたてNISAと従来のNISAの違いについて、表でわかりやすく比較してみました。
<つみたてNISAと従来のNISAの違い>
つみたてNISA | 従来のNISA | |
---|---|---|
新規に投資できる期間 | 10年 2014年~2023年 |
20年 2018年~2037年 |
非課税の期間 | 投資を始めた年から最長5年間 | 投資を始めた年から最長20年間 |
年間の投資額上限 | 120万円 | 40万円 |
非課税額の累計額上限 | 600万円 | 800万円 |
対象の金融商品 | ETF、REITを含む上場株式、投資信託 | 「長期」「積立」「分散」型と金融庁が認めた投資信託、ETF |
投資の方法 | 一括買付、積立 | 定期的、かつ、継続的な積立に限られる |
つみたてNISAの対象商品は、金融庁が長期にわたり積み立ていくものだと判断した商品のみですので、注意が必要です。
また、1年間の上限額、累計上限額、投資の方法なども異なります。
つみたてNISAのメリット
つみたてNISAを行うメリットについてご説明します。
投資初心者向け
つみたてNISAは、長期的に積み立てていくことで利益を得る投資方法なため、大きな失敗をするリスクが少なく投資初心者向けといえます。
年間の投資額上限は40万円と従来型の120万円よりも大幅に少ないかもしれません。
累計の上限額は、従来は600万円でしたが、つみたてNISAは800万円と、長期的に見れば従来型より上限額が多いのです。
また、積立可能な期間も最長20年と、従来型より長いのです。
投資方法も異なり、つみたてNISAの場合は一括買付ができず、積立でしか投資ができません。
つまり、つみたてNISAは長い期間をかけて分散投資ができる投資方法ですので、リスクが少なく投資初心者に向いているのです。
長い目で見てより多く投資したい
すでにご説明したとおり、つみたてNISAは短期的に見ると投資可能な上限額が少ないですが、累計額の上限は増えています。
そのため、短期間なら従来型の方が多く投資できますが、長い目で見ればつみたてNISAの方がより多く投資できます。
投資額が少ないため、老後資金の貯蓄のためにつみたてNISAを利用するという方法もあります。
長期間積み立てることでより多くの投資をしたいという方に、つみたてNISAはおすすめです。
分散投資できる
つみたてNISAは、金融庁が「長期」「積立」「分散」型投資を目的とした金融商品のみ、対象となっています。
そのため、分散投資に適した投資方法です。
1種類の商品に投資を集中させすぎると、その商品で損をすると、一度に大きな損益を出してしまいます。
しかし、つみたてNISAは少額投資で長期的に積み立てることで利益を得られる仕組みであるため、分散投資に向いているといえます。
税制面で優遇されている
税制面で優遇されているのは、今までと同様です。
年間40万円までの利益が非課税であり、20年間かけて累計で800万円もの利益に税金がかかりません。
これは税制面でかなりの優遇がされているといえるでしょう。
まとめ
NISAを利用すると、税制面で大きな優遇を受けられます。
つみたてNISAなら、年間40万円まで、最長20年間かけて最大800万円まで非課税です。
対象商品は、「長期」「積立」「分散」型と金融庁によって認められた「投資信託」、および、「ETF」のみに限定されています。
つみたてNISAは、長期的な目で見るとメリットが大きい投資方法です。
そのため、長期的に積み立てたい、分散型の投資をしたい、投資の初心者なので最初は小さく投資していきたいという方に、つみたてNISAは向いています。
多くの金融機関でNISAの商品を扱っていますので、商品ラインナップやポイント優遇制度、サービスの充実度などを比較して、自分に合った商品を選んでみてください。