ネット証券の発達により、個人でも簡単に株式投資を行えるようになりました。
これから株式投資にチャレンジしようと思われている方も多いと思います。ただ、株式投資は決して簡単なものではありません。
ポイントをしっかり押さえておこないと、大損をしてしまう可能性があります。
今回は、株式投資を行う上で注意するべきポイントをひとつずつまとめていきます。
実際に投資をする際に、是非、参考にしてください。
分散投資をする!
投資初心者の人が陥りやすいミスとして、「1社の株だけ集中して購入する」ということがあります。
リスクを許容した上で、集中投資するのは問題ないのですが、特に意図もなく集中投資をしてしまうと、損失のみが膨れ上がっていく可能性があります。
損失のリスクを抑えるためにも、複数の企業の株式を購入するようにしましょう。この時に、同じ業界に偏らないように投資対象を選ぶことが重要です。
例えば、銀行の株のみを保有していると、銀行業界全体が下火となる出来事が起こった際に、すべての銀行株が値下がりすることになります。
別の銀行株をもっていたとしても、これではリスク分散にはつながりません。銀行株を1社取得したら、銀行業界とは離れた業界の企業を選ぶようにしましょう。
ただ、この分散投資は投資の玄人からすると、「リスクは抑えられるが、大きなリターンは期待できない」という類のものです。
ある程度、投資の経験を積んで、余裕資金が増えてきたら、あえて集中投資を行うというのもアリです。
ただし、集中投資する場合は、必ず余裕資金で行うようにしてください、投資額がすべて目減りしても良いぐらいの姿勢がもてないのであれば、集中投資はおすすめできません。
いきなり新興企業株を買わない!
株式を購入する際、証券取引市場にて株を選ぶことになります。日本国内には以下の証券取引所が存在します。
・東京証券取引所
・名古屋証券取引所
・福岡証券取引所
・札幌証券取引所
この中で、最も規模の大きい取引所が東京証券取引所(通称:東証)です。東京証券取引所は、更に以下のように階層分けがなされています。
・東証第一部
・東証第二部
・マザーズ
・JASDAQ
東証第一部は、いわゆる大手企業が属している取引市場で、各市場の中で最も上位のランクに位置づけられています。
東証第二部は、東証第一部ほどではないですが、財務状況が安定していたり、長年にわたって安定した成長をしている企業が属しています。
ちなみに、東証第二部から東証第一部に移るには、厳しい基準をすべてクリアしなければなりません。
それだけ、東証第一部の企業は業績が安定していると言えます。
マザーズとJASDAQは、新興市場と呼ばれる市場です。東証二部に上場できないような企業が、株式公開のスタートラインとして、上記2つのうちどちらかの市場に所属します。両市場の違いは以下通りです。
マザーズ:将来的に、東証第二部へのステップアップを目指す企業が所属
JASDAQ:ベンチャービジネスを展開する企業が多く所属
どちらも新興市場という点は変わりませんが、マザーズには将来的に上場を目指す企業が多いため、堅実な利益を出すことを目指している企業が多い印象です。
マザーズでは、いわゆるベンチャー企業と呼ばれるような、勢いのある小規模の企業が多いです。
各市場ごとの株式の特徴として、東証第一部、第二部の株式は値動きがそこまで激しくなく、堅調に推移するものが多いです。
これに対して、マザーズ、JASDAQの株式は日々値動きが激しく変動するものが多い傾向にあります。
投資初心者の方は、いきなり新興市場の株式を購入しないようにしてください。
たしかに、値動きが激しいと大きな利益を得られる可能性もありますが、その分、大損をする可能性もあります。
中には、倒産寸前の企業もありますので、そのような株式を購入してしまうと、数か月後に紙切れとなってしまいかねません。
まずは、東証第一部、第二部の株式から投資するようにしましょう。
第一部、第二部の企業であれば新興企業ほどは倒産のリスクは低いので、比較的安心して投資をすることができます。
大きな利益をすぐに出すことは難しいですが、コツコツと投資金額を積んでいけば、徐々に利益が増えてきますので、焦らないようにしてください。
キャピタルゲインを追いすぎない!
株式投資による収益には、「キャピタルゲイン」と「インカムゲイン」の2種類があります。
キャピタルゲインとは、株式の売買益のことです。多くの方がイメージする株の利益は、このキャピタルゲインですね。
インカムゲインは、配当など企業から株主に対して配分されるものです。
株式投資初心者の方は、キャピタルゲインばかりに目がいってしまうことが多いです。
ただ、キャピタルゲインのみを追ってしまうと、株式の売買を繰り返すことになり、取引手数料がどんどんかさんでいきます。
大きく価格が変動した際は、株を売ることも大切ですが、あくまでも「長期的に保有する」ことが安定した収益を手に入れる前提となります。
キャピタルゲインではなく、インカムゲインを多くしていくことを心掛けましょう。
インカムゲインを増やすためには、保有する株の数を増やしていくことが必須です。
集中投資は避け、バランスを取りながら株式の買い増しを進めていきましょう。
大手企業の株でも、年間の配当利回りが5%を超える企業が少なくありません。
1000万円分の株式を購入すれば、保有するだけで年間50万円が手元に入ってくることになります。
この利率は、銀行の普通預金と比べたら雲泥の差ですね。
美味い投資話は存在しない!
株式投資の大前提は、「ハイリスク・ハイリターン」です。大きな利益を出せる投資は、同様に大きな損失を出す投資でもあるのです。
この原則に当てはまらない投資というものは、存在しないと考えてください。
よく、SNSなどで「簡単に、莫大な利益をあげられる!」と言っている怪しい人がいますが、この手の話は「知識がない人を釣って、高額な情報商材を売りつける」ものです。
中には、わざと回りくどい話をした後に、セミナー参加へ誘導するなど、かなり悪徳なものも目立ちます。
投資において、美味い話はありません。時間をかけて、資産を積み上げていった人が収益を出せる世界ですので、騙されないよう注意してください。
恐慌時こそ買い時!
大規模な経済危機が起こった際は、株の購入を控える人が多いです。通常では中々買えないような企業の株も大きく値を下げるため、売りに出す投資家が増加します。
ただ、経済恐慌が起こったときこそ、株を購入するべきとも言えます。倒産の危機にあるような企業は別として、財務状況が安定しているにも関わらず、
株価を下げる企業が少なからず出てくるため、そのような企業の株は購入しておいて損はありません。
市場が「なんとなく先行きが不安...」という雰囲気が漂っている時こそ、優良企業の株式を購入するようにしてください。
投資初心者の方は、特に周りの行動に流されがちなので、自分の投資スタイルを曲げないようにしてください。
他の人とは別の行動をとらなければ、株式投資において利益を出し続けることは難しいです。
周りが売りに出している時に、お得な価格で株を購入しましょう。
まとめ
何も考えずに株式投資を行ってしまうと、大きな損失を出してしまう可能性が高いです。
1社に集中して投資してしまったり、いきなり新興企業の株式に手を出してしまうなど、意外と陥りやすいものが多いので、投資初心者の方は特に注意するようにしてください。
上記のポイントを抑えた上で、自身の投資スタイルを確立して、長期的な視野で投資を行うよう研鑽していきましょう。
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