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株主優待とは?
株主優待とは、企業が株主に対して製品やサービスを還元するもので、株主への「感謝」を示すものとして捉えられています。
株主優待で送られる製品・サービスは企業によってさまざまです。
株主優待の内容は、保有している株式の数によっても異なります。
一般的には、株式をたくさん持っているほど、株主優待で貰える製品・サービスも豪華になります。
ただ、企業によっては保有株式数によって、株主優待に差をつけていないところもあるので、事前に確認をしておきましょう。
株主優待を貰うまでの流れ
それでは、実際に株主優待を貰うまでの流れをみていきましょう。
①証券口座を開設して、株を購入する
株主優待を貰うには、まず対象企業の株を購入することが必須です。
株購入の際には、証券口座が必要になるので、まだ開設されていない方は事前に開設しておきましょう。
ネット証券であれば、インターネットから簡単に申し込めます。
数分で口座開設の手続きが終わるので、この機会に是非、口座開設をしてみてください。
②権利確定日を待つ
口座を開いて株を購入したら、権利確定日まで株を保有し続けます。
権利確定日とは、株主として得られる権利が確定する日付のことで、月末付近であることが多いです。
ここで注意して欲しいのが、権利確定日はあくまで、株主の権利が「確定する日付」であるという点です。
実際に株主の権利が得られるのは、「権利付き最終日」になります。
権利付き最終日は、権利確定日の2営業日前で、この日まで株を保有していれば、株主優待を貰う権利が得られます。
権利付き最終日の翌営業日を「権利落ち日」と呼び、この日以降株を売却しても、株主の権利は消えずに残ります。
株主優待を貰うには、「権利付き最終日」まで保有することが絶対条件ですので、その日まで株を保有し続けるようにしましょう。
③株主優待が届く
株主優待の権利が確定した後、自分の手元に製品やサービスが届くまで2~3ヵ月ほどかかります。
タイムラグの原因は、株主優待を送る事務手続きや、株主総会での配当決定などに、2~3ヵ月ほどかかるからです。
③優待利回りをチェックする
優待利回りとは、株主優待の取得に必要な費用に対し、1年分の優待の価値がどれほどの比率なのかを表した指標になります。
優待利回りが高ければ高いほど、リターンが大きい株主優待であるといえます。
優待利回りの計算方法は、以下の通りです。
優待利回り(%)=優待の価値(円)÷優待取得にかかった金額(円)
次に、具体例を使って、優待利回りの計算をしていきましょう。
たとえば、1年の株主優待の内容が「商品券10,000円分」であるとします。
この企業の株主優待を受けるために、200,000円の費用をかけたとすると、優待利回りは以下のようになります。
10,000円(優待の価値)÷200,000円(優待取得にかかった金額)=5%
優待利回りの5%は、かなりお得な水準であるといえます。
一般的には、配当利回りが3.5%以上あれば、リターンの高い株主優待であるといわれています。
優待利回りを用いる際に注意して欲しいのが、優待利回りが高いとその分、株価が安いという点です。
とくに、同業他社と比べて、異常に配当利回りが高い場合は、株価が急落している可能性が高いです。
株価が急落しているということは、その企業にとってマイナスなことが起きているということ。
たとえば、業績が悪化して株価が急落した場合、将来的に株主優待が廃止される可能性もあります。
最悪の場合、倒産する可能性もあるので、異常に配当利回りが高い銘柄は必ず「株価の変動」「企業業績」を確認するようにしてください。
株主優待のジャンル
株主優待の種類は、企業によってさまざまですが、概ね以下のジャンルに分類できます。
・金券
→商品を購入する際に利用できる券、クオカード
・外食優待券
→ファミレス、居酒屋で使える食事券
・施設利用券
→エンターテインメント施設、スポーツジムなどの施設の利用券
・飲食料品
→飲食料品が自宅に届けられる
・日用品
→日常生活で使える製品一般
・優待カード
→店舗で利用可能な優待カード
・優待カタログ
→カタログの中から、商品を自由に選んで注文できる
上記の中で特に人気の優待ジャンルは、「外食優待券」と「飲食料品」です。
外食優待券は多くの外食産業企業が株主優待として採用しており、一般消費者の方が利用しやすい優待です。
飲食料品も同様で、日常的に使うものを株主優待で貰えればお得感が増しますね。
有名企業の株主優待
次に、有名企業の株主優待の内容をみていきましょう。
すかいらーくホールディングス
すかいらーくホールディングスの株主優待は「優待食事券」です。
ガスト、ジョナサン、バーミヤンなど全国のすかいらーくグループの店舗で利用可能となっています。
優待食事券は、他の割引券とも併用可能で、株主優待の中でも人気を博しています。
最低投資金額は216,198円からで、優待利回りは2.77%となっています。
ビッグカメラ
ビッグカメラの株主優待は「買い物券」です。
年間で3,000円相当の買い物券が送られてきます。
全国のビッグカメラの店舗や、提携するソフマップ、コジマでも利用ができます。
優待利回りは約2.50%となっており、他の優待利回りと比べると優秀ですね。
ただし、買い物券の有効期限は「半年」なので、忘れずに使用するようにしましょう。
日本マクドナルドホールディングス
日本マクドナルドの株主優待は、「食事券の冊子」です。
この冊子には、マクドナルドの商品を無料で引き換えられる優待券が備えられています。
単品注文もでき、サイズの選択も自由です。
期間限定商品、朝マックにも対応しているので、マクドナルドファンにはたまらない内容となっています。
ゼンショーホールディングス
ゼンショーホールディングスの株主優待は「食事券」です。
1,000円相当の食事券が年2回送られてきます。
ただ、保有する株式数によって、送られてくる食事券の金額は変わってくるので、一律で1,000円相当ではありません。
ゼンショーは牛丼チェーン店の「すき家」を運営している会社です。
すき家をよく利用する人にとっては、牛丼の商品券は使い勝手が良いですね。
300株以上の株を保有していれば、優待券の代替品として「すき家 牛丼の具」をはじめとした、複数の商品から好きなものを選び、交換することも可能です。
まとめ
株主優待投資は、キャピタルゲインやインカムゲインを狙った通常の株式投資とは異なり、株主優待を得ることを目的にして行います。
企業が提供する株主優待には、魅力的なものが多いです。
利回りの面でも、銀行預金や投資信託と比べれば高い水準ですね。
株主優待を上手く使えば、日々の生活費を節約することも可能になります。
気になる株主優待がある方は、これを機に株を購入して、優待を受けてみてはいかがでしょうか。