個人ではなかなか投資することができない新興国のメキシコの債券に投資することができるメキシコ債券オープン(毎月分配型)。
今回はメキシコ債券オープン(毎月分配型)はどのような投資信託であるのか?
その魅力を考察していきたいと思います。
また併せて、メキシコ債券オープン(毎月分配型)の投資効率についても分析していきたいと思います。
Contents
メキシコ債券オープン(毎月分配型)の人気の秘密
ここではメキシコ債券オープン(毎月分配型)の基本スペックをご紹介していきます。
名称 | メキシコ債券オープン(毎月分配型)(愛称:アミーゴ) |
投信会社 | 三井住友DSアセットマネジメント |
単位型or追加型 | 追加型 |
国内or海外 | 海外 |
投資対象資産 | 債券 |
備考 | 毎月分配型 |
メキシコ債券オープン(毎月分配型)の特色は以下になります。
①:メキシコペソ建ての債券への投資
②:メキシコの国債・政府機関債および国際機関債を中心に投資
③:毎月の決算日に収益を分配
メキシコ債券オープン(毎月分配型)の人気の秘密
ここではメキシコ債券オープン(毎月分配型)の人気の秘密を解析していきたいと思います。
メキシコに投資することができる
近年工業化が進んでいる新興国メキシコ。メキシコは他の新興国のように天然資源に頼る輸出構造ではなく、工業製品の輸出が主力になっています。
≪メキシコの輸出シェア≫
- 機械・電子機器 36.92%
- 自動車・船舶・航空及び同部品 24.72%
- 石油・天然ガス 4.83%
上記のようにメキシコでは輸出シェアのおよそ6割が工業製品です。
また輸出先はおよそ8割が隣国であるアメリカになっています。
このように順調に工業化が進んできるメキシコに投資することができることがメキシコ債券オープン(毎月分配型)最大の魅力といってよいでしょう。
投資リスクが低い債券に投資することができる
価格推移が激しい株式と違い、債券は比較的リスクの低い投資先であるといえます。
また、メキシコ債券オープン(毎月分配型)では、メキシコの国債・政府機関債および国際機関債といったリスクの低い商品に投資しています。
さらに投資リスクが減殺されるといってよいでしょう。
上図のようにメキシコ債券オープン(毎月分配型)では9割以上を格付けAの債券に投資しています。
また、債券の種類別を見ると国債に9割以上投資していることがわかります。
国債への投資であれば、メキシコが破綻しない限りしっかりと運用されるため、かなり堅い商品選択であるといえます。
組入上位銘柄を見ても高いクーポン(預金でいう金利に当たるもの)の銘柄に投資していることがわかります。
よって、メキシコ債券オープン(毎月分配型)は高い運用利益を上げることが期待できます。
毎月分配金を受け取ることができる
上図は直近6期のメキシコ債券オープン(毎月分配型)の分配金です。毎月30円の分配金が出ているのがわかります。
現在メキシコ債券オープン(毎月分配型)の基準価格は5,300円です。
よって、年率6.8%の分配金をもらうことができます。
低リスク、ハイリターンのメキシコ債券オープン(毎月分配型)は魅力的な投資商品であることがわかります。
メキシコ債券オープン(毎月分配型)の甘い罠
低リスク、ハイリターンのメキシコ債券オープン(毎月分配型)。
しかし、甘い話には裏があるのが投資の世界の常識です。
ここでは、メキシコ債券オープン(毎月分配型)の甘い罠が抱えているリスクをご紹介していきたいと思います。
驚愕!?メキシコ債券オープン(毎月分配型)の価格推移
上図はメキシコ債券オープン(毎月分配型)の価格推移です。
2013年4月に15,025円の天井を付けてから、鉄壁の下降トレンドを演じています。
なぜ魅力的なはずのメキシコ債券オープン(毎月分配型)の基準価格は下げ続けているのでしょうか?
ファンダメンタル的な下げ要因は次項以下で解説していくので、まずはテクニカル的な要因を解説していきたいと思います。
メキシコ債券オープン(毎月分配型)を一目均衡表から見たものです。
分厚い雲(ピンク色の部分)に価格が抑え込まれていることがわかります。
雲は強力な上値抵抗です。
よって、メキシコ債券オープン(毎月分配型)の基準価格が上昇することはテクニカル的に難しいということができます。
月足チャートを見ると、メキシコ債券オープン(毎月分配型)の価格は横ばいで下げ止まっているように見えますが、上図の週足チャートをご覧ください。
しっかりと雲が下降していることがわかります。
よって、テクニカル的には今後も順調に価格が下落していく可能性が高いことがわかります。
下がり続ける分配金
一見高利回りに見えるメキシコ債券オープンですが、過去5年で120円→60円→30円と分配金が1/4になっていることがわかります。
分配金に下げ止まりの傾向が見えていないため今後も分配金が下がる確率は高いといえましょう。
高い手数料
メキシコ債券オープン(毎月分配型)の投資信託手数料
購入時手数料 | 1000万円未満:2.16%
1000万円以上1億円未満:1.08% 1億円以上:0.54% |
運用管理費用(信託報酬) | 年率1.3392% |
監査報酬 | 間接的に負担 |
売買委託手数料 | 間接的に負担 |
信託財産留保額 | なし |
メキシコ債券オープン(毎月分配型)は直接的に支払う手数料だけでも、3.5%とられることになります。
また信託報酬は毎年発生するため、長期で保有する場合かなり高額な手数料を支払うことになります。
値動きの激しいハイリスクなメキシコペソ円
上図はメキシコペソ/円の価格推移です。
ここ2年以上は狭い範囲での持合いです。
よって、メキシコ債券オープン(毎月分配型)の運用に影響を及ぼすことはなかったといえます。
しかし、移動平均線をよく見ると微妙に下降していることがわかります。
よって、レンジブレイクからの突発的な暴落リスクが高い通貨であるといえるため注意が必要です。
見てきたようにメキシコ債券オープン(毎月分配型)はテクニカル的にもファンダメンタル的にも投資商品として魅力のあるファンドではないことがお分かりいただけたと思います。
メキシコ債券オープン(毎月分配型)の投資効率は?
下図はメキシコ債券オープン(毎月分配型)の投資効率です。
基準価格が下落し続けている状況では、債券の利益が7%でも運用利益は2.3%と低い数値になるのは当然のことといえます。
しかし、メキシコ債券オープン(毎月分配型)の手数料は3.5%です。
よって実質的には「マイナス運用」になっていることがわかります。
これでは投資ではなく、単に資産を減らすだけの行為としかいいようがありません。
まとめ
今回はメキシコ債券オープン(毎月分配型)の特徴や投資効率を見てきました。
今旬のメキシコ、しかも比較的投資リスクの低い債券に投資することができるメキシコ債券オープン(毎月分配型)は一見大変魅力的な投資商品に見えます。
しかし、実態は直近1年間は実質マイナス運用と投資ではなく資産を溶かすだけのファンドであることがお分かりいただけたと思います。
よって、メキシコ債券オープン(毎月分配型)に投資するのではなく、
自分で高利回りのメキシコ債券に投資したほうがよっぽど利益を上げることができるといってよいでしょう。
以上、【愛称:アミーゴ】メキシコ債券オープン(毎月分配型)を徹底評価!成長力の高いメキシコの債券に投資できるのは魅力的なのか?...の話題でした。