リートは不動産に投資をしているもので、配当金が高いことも相まって分散投資の選択しに入れる方も多いようです。
今回は、そもそもリートとは?リートと不動産投資に違い、2019年おすすめのリート、そのポイントについて説明させて頂きます。
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リートとは?
リートとは簡単に言うと不動産投資信託のことであり、投資家から集めた資金をホテル、オフィス、マンションなどの不動産を購入し、運用することで収益を出すものです。
その収益の90%程度を配当に出しているため、平均利回りが2019年現在、4%近くあるという非常に高いことで有名です。東証1部の利回りが2%程度と、リートは約2倍という状況になっています。
なぜそんなに配当金が出せるのかというと、不動産で得た利益を配当することで法人税を下げる目的があります。
いわゆるポンジ・スキーム(出資金から配当を出し、それ自体が利益を生まない仕組み)とは違い、しっかりと不動産が利益を出してくれているためこのような仕組みになっています。
不動産投資の違い
リートは不動産に投資をしていますが、仕組み上は投資信託であり、またETF(上場投資信託)として市場で売買ができます。
通常、不動産投資は気軽に売買できるほど流動性がなく、また取引価格がわかりづらいという特徴があります。
また投資金額も多額になり、専門家でないと情報が得づらい、物件の管理自体も個人でやらねばならないといデメリットがありました。
それに対してリートは、上場しているため株式市場で自由に売買ができます。
株と同じく売買板で確認することが可能で、投資金額も不動産投資と比べて少額でできることが特徴です。
また不動産自体の管理もリートが行っており、不動産に関する情報はリートが提供してくれます。
このため、住宅に特化したリートだけではなく、ホテルやオフィスといった様々な物件に分散投資するという選択も可能になるでしょう。
リートの種類と見通し
それではリートに投資をするなら、どのリートを選べばいいでしょうか?
最初に、リートにはどのようなジャンルがあり、それらの特徴について簡単に説明させて頂きます。
住宅用やオフィス、ホテル、商業施設など様々なジャンルがあり、それぞれ今後の見通しが違います。
住宅用リート
いわゆる衣食住の「住」に該当し、これまでも安定的な成長を続けてきました。
今後も都市部以外の開発が進み、住宅関連のリートについての見通しはこれからも安定していくものと考えられます。
オフィスリート
特徴は、物件自体が長期契約である点です。そのため解約、その無収入期間が少ないので、高い収益を得続けられる投資先であると言えます。
ホテルリート
インバウンドブームから攻勢をかけてきたホテルリートですが、東京オリンピックまでは堅調であると考えられています。
しかし現在はAirBnBの影響もあり、オリンピック以降は徐々に下火になっていくのではないかと言われています。
今後の民泊関連法律の状況にもよりますが、今から投資をするには注意が必要な先です。
商業用リート
このリートの特徴としては景気に左右されるという点です。
アベノミクス以降景気が拡大してきた状況では非常に好調でしたが。
現在が景気拡大終盤期であることを考えると、長期投資するにはこちらも注意が必要と考えられています。
おすすめリート5選
では上記の点を踏まえ、どのリートに投資魅力があるのか、おすすめの5選を紹介させていただきます。(配当利回りや稼働率の情報は2019年3月現在で算出しています。)
さくら総合リート投資法人
オフィスビルや住宅など、さまざまな種類の物件に投資する、いわゆる総合型リートです。
主に首都圏の物件、特にオフィスビルに約半分の投資をしており、全体の稼働率は2016年9月から現在まで90%以上を維持しています。
配当利回りも6%程度と平均以上を維持しており、長期投資をするのであればバランスの良いリートであると言えるでしょう。
日本ヘルスケア投資法人
有料老人ホームなどの高齢者施設・住宅や病院、メディカル・モールといった医療施設などに投資をしている特化型のリートです。
今後は高齢化社会でヘルスケア施設の需要は確実に伸びていくとされています。
前述のさくら総合リート投資法人と比べると配当利回りは4%程度と少ないですが、ヘルスケアの将来性へ投資することができるため注目されています。
Oneリート投資法人
95%程度をオフィスビルに投資している、収益性の高い投資法人です。
物件も東京都心に集中しており、オフィスビルの賃料特性とともに東京オリンピックの影響での賃料上昇も見込めるでしょう。
また配当利回りは5%以上あり、その収益性、配当妙味から2017年3月から右肩上がりのチャートとなっています。
日本プロロジスリート投資法人
物流施設の開発や運営で国際的にも大手のプロロジス・グループがスポンサーになっている物流施設特化型リートです。
ポートフォリオは100%プロロジスパークの物流倉庫となっています。
物流倉庫の変動は少ないものとなっています。ゆえに安定的な運用を背景に、収益を伸ばしていけるリートとされています。
株価は24万円を中心にほぼ横ばいですが、利回りが上昇しており、現在は4%近いものとなっています。
またこのリートは日本銀行が投資口5%を保有している銘柄のひとつとなっています。
マリモ地方創生リート投資法人
地方の不動産への投資を主に扱っている総合型のリートです。
スポンサーは分譲マンション開発や市街地再開発を手掛ける株式会社マリモです。
物件は住居、商業施設で80%を占めており、他に事務所、ホテルなどに投資している総合型リートです。
特記すべき点は物件で東京含む関東地区が35%しかなく、残りは名前の通り地方都市へ投資しているところです。
地方に投資しているということで、実情に不安を感じられる方もおられると思います。
しかし2016年8月から稼働率は90%後半を維持しており、安定しているオフィス、住居へ約半分投資しています。
実際、当初8万円台だった投資口も順調に上昇しており、現在では10万円を超えています。また配当利回りは6%を超えているなど非常に投資妙味のあるリートとなっています。
まとめ
いかがだったでしょうか。
リートは国内株とは違い、売買の板が活発というわけではありません。
そのため日々の値動きというより、高い配当利回りを期待して長期投資するものと考えられています。
日本銀行などの公益性の高い団体も投資する選択肢に入れているほどです。
今回はリートの特徴について説明させて頂きましたが、実際に投資するのであれば、やはり複数銘柄に分けて投資をする分散投資がおすすめです。
「東京+オフィス」という地価上昇、安定性を重視したリートもありますが、もし仮に地価が下落したら…というリスクをヘッジする必要があります。
今回はその考えの手助けができればと思い、さまざまな視点からおすすめのリートを5つ選ばせて頂きました。
もちろん同系統のリートは他にもあり、配当利回りや投資口価格もそれぞれです。どのリートを組み合わせて、長期的に運用していくかが大事と考えています。
自身の投資スタイルに合ったリートが見つかれば幸いです。