上図は大和証券が提供している投資信託のランキング一覧です。
日本株アルファ・カルテットが買付金額ランキングで堂々の4位に入賞しています。
よって、日本株アルファ・カルテットは多くの投資家によって購入されている投資信託であることがわかります。
今回はこの投資家に人気の日本株アルファ・カルテットはどのような投資信託であるのか?
その魅力を考察していきたいと思います。
また併せて、日本株アルファ・カルテットの投資効率についても分析していきたいと思います。
Contents
日本株アルファ・カルテットの基本スペック
ここでは多くの投資家が購入している日本株アルファ・カルテットの基本スペックをご紹介していきます。
名称 | 日本株アルファ・カルテット |
投信会社 | 三井住友DSアセットマネジメント |
単位型or追加型 | 追加型 |
国内or海外 | 国内 |
投資対象資産 | 国内株式 |
種類 | アクティブ型 |
備考 | 毎月分配型 |
日本株アルファ・カルテットは国内の株式に投資しているファンドです。
投資信託には指数に連動するインデックス型投信と、インデックスに対してプラスのリターンを求めるアクティブ型投信が存在します。
日本株アルファ・カルテットはアクティブ型の投信となっています。
3%以上組み入れている銘柄は、トヨタ自動車・日立製作所・日本電信電話・東京海上ホールディングスとなっており、
時価総額の高い銘柄を中心に構成されていることがわかります。
日本株アルファ・カルテットの評判の秘密
高い人気を誇る日本株アルファ・カルテット。ここではその人気の秘密を解析していきたいと思います。
好調の日本株に投資できる
現在日経平均株価は好調をキープしています。上図をみると一目瞭然です。
2019年1月4日の大発会に19,655円でスタートして以降、たった4か月で22,362円と指数で10%以上も値上がりしています。
「日本株が好調だけど、どんな銘柄に投資していいのかわからない…」といった投資初心者が時価総額の高い銘柄で構成されています。
日本株アルファ・カルテットを選択するのも理解できる日経平均株価の推移になっています。
「とにかく日本株に投資したい」そんな投資初心者向けの銘柄構成
下図は日本株アルファ・カルテット組入銘柄トップ10です。
1位 | トヨタ自動車 | 4.80% |
2位 | 日立製作所 | 3.40% |
3位 | 日本電信電話 | 3.40% |
4位 | 東京海上ホールディングス | 3.00% |
5位 | エヌ・ティ・ティ・データ | 2.80% |
6位 | オリックス | 2.70% |
7位 | 三菱UFJフィナンシャル・グループ | 2.50% |
8位 | 信越化学工業 | 2.10% |
9位 | 三菱商事 | 2.00% |
10位 | 伊藤忠商事 | 2.00% |
参考:日本株アルファ・カルテット組入銘柄トップ10
日本を代表する大企業がランクインしています。株式投資に詳しい人なら、このランキングを見て気が付くと思います。
「単純に時価総額ランキング上位銘柄から、高配当銘柄を組み入れているんだな…」と。
正直、ランキングを見てエクセルでささっと行えるレベルの銘柄選択であるといわざるを得ません。
投資信託は金融のプロが銘柄選択から、投資配分まですべてを行ってくれることが特徴の金融商品です。
もう少しテクニカル面での運用も考慮すべきではないかと感じざるを得ない銘柄選択といえます。
しかし、投資初心者であれば、だれもが知っている有名企業へ一括して投資することができるといったメリットがあるため人気があると考えられます。
日本株アルファ・カルテットは投資家に人気の「毎月分配型」
日本株アルファ・カルテットは日本で人気の毎月分配型の投資信託です。
https://moneyschool.jp/investment-trust-point/
日本株アルファ・カルテットは毎月4日に60円の分配金を出していることがわかります。
現在日本株アルファ・カルテットの基準値は2,031円です。
「およそ毎月30%の利回り?」とこの高い分配金が日本株アルファ・カルテット最大の魅力ということができます。
しかし、実は超高利回りの裏には『やばい』からくりが存在しているのです。
超絶高利回りは逆に『やばい』!? 日本株アルファ・カルテットを買ってはいけない4つの理由
月額利回り30%という破格的な分配金で人気の日本株アルファ・カルテット。
結論から申し上げますと、日本株アルファ・カルテットは買ってはいけないリスクの非常に高い投資信託であると断言できます。
ここでは日本株アルファ・カルテットを買ってはいけない4つの理由をご説明していきたいと思います。
買ってはいけない理由その1~日本株アルファ・カルテットの価格推移
下図は日本株アルファ・カルテットの上場来の価格推移です。
2014年4月に上場し、7月に10,773円を付けてから、まさにリーマンショック並みの勢いで株価が暴落していることがわかります。
暴落理由は日本株式に投資しているファンドのため、日経平均株価に連動したからでしょうか?
下図は日本株アルファ・カルテットと同じスパンの日経平均株価の推移です。
上下しながらもきれいな上昇トレンドを形成していることがわかります。
よって、日本株アルファ・カルテットは日本株に投資していながら、日経平均株価に全く連動せずに暴落し続けているファンドであることがわかります。
結論として、テクニカル的に下げ止まり感が全くないため、投資対象外のファンドであるといってよいでしょう。
買ってはいけない理由その2~減り続ける分配金
高利回りが魅力の日本株アルファ・カルテットですが、年々分配金が「がっつり」と下がっていることがわかります。
現在も30%を超える利回りですから、分配金が再度下げられるのは誰でもわかる理屈ですよね。
このように底なし沼に嵌るがごとく下落し続ける分配金を目当てに日本株アルファ・カルテットを購入するということは本末転倒なのです。
買ってはいけない理由その3~業界最高値に挑戦?非常に高い手数料体系
<<ⅰ.基本的な投資信託の手数料>>
手数料 | 支払時期 | 手数料の内訳 |
購入時手数料 | 購入時 | 購入時に販売会社に支払う費用。 |
運用管理費用(信託報酬) | 保有時 | 投資信託を保有している間、投資信託の保有額に応じて日々支払う費用。 |
監査報酬 | 保有時 | 監査に要する費用。 |
売買委託手数料 | 売買時 | 売買する際に発生する費用。 |
信託財産留保額 | 換金時 | 購入または解約する際、手数料とは別に徴収される費用。 |
<<ⅱ.日本株アルファ・カルテットの投資信託手数料>>
購入時手数料 | 3.78% |
運用管理費用(信託報酬) | 年率1.90% |
監査報酬 | 間接的に負担 |
売買委託手数料 | 間接的に負担 |
信託財産留保額 | 0.3% |
日本株アルファ・カルテットは直接的に支払う手数料だけで5.98%とおよそ6%という業界最高値水準の手数料がとられることになります。
また信託報酬は毎年発生するため、長期で保有する場合かなり高額な手数料を支払うことになります。
買ってはいけない理由その4~特別分配金の罠
日本株アルファ・カルテットは特別分配金を出しています。
実は、この特別分配金が基準価格と分配金額の暴落要因なのです。
まず、30%という分配金を出すことは、可能なのでしょうか?
2019年度の指数の上昇はおよそ10%です。
日本株中心に投資している日本株アルファ・カルテットでは、30%という利益を上げることは物理的に不可能な数値です。
しかし、実際に2019年も分配金が出ています。
この分配金はどこから出ているお金なのでしょうか?
結論から申し上げますと、投資して集めたお金を切り崩している状態なのです。
ですから、年々投資金額が減っていくわけです。
そうすると、ますます利益が上げにくくなります。
ですから、特別分配金を出すようなファンドは負のループに嵌ってしまうため、基準価格と分配金額が底なしに暴落していくだけのファンドになってしまうのです。
見てきたように日本株アルファ・カルテットは自己資産を取り崩しているだけの粗悪なファンドです。
よって、今後も順調?に基準値と分配金が下がっていきます。
高利回りに騙されて、ことの本質を見失わないように注意しましょう。
日本株アルファ・カルテットの投資効率は?
日本株アルファ・カルテットは一見すると優良ファンドに見えますが、実はかなりリスキーな投資信託であることがわかりました。
ここでは実際に投資した場合の投資効率を分析していきたいと思います。
以下は日本株アルファカルテットに投資した場合の各期間毎の成績となります。
ちなみに上記の成績は配当金を税引前の状態で再投資した場合のリターンです。
実際は配当金を受け取った瞬間に20.315%の税金支払いが発生するため、再投資金額は少なくなり低い投資リターンとなります。
超絶高利回りのはずが実際は「マイナス」運用の謎
上図は日本株アルファ・カルテットの運用結果です。こちらは分配金と基準価格から出される利益率を示しています。
利回りが30%を超える超絶高利回りのファンドのはずが、実はマイナス運用になっていることがわかります。
日経平均株価が順調に推移しているにもかかわらず、超絶高利回り&日本株投資のファンドがなぜマイナス運用なのでしょうか?
≪日本株アルファ・カルテットがマイナス運用の理由≫
・基準価格の暴落
日本株アルファ・カルテットの直近1年の基準価格は3,100円から2,000円に暴落しています。
よって、投資資金が1,100円棄損されていることがわかります。
これでは分配金を720円もらってもマイナス運用になるのは当然であるといえます。
・分配金の値下げ
2018年11月から分配金が100円から60円に下がっています。
これでは基準価格の下落を補填することは不可能です。
業界最高値水準の手数料は「別」
ファンド自体が7.55%のマイナス運用になっていますが、これには手数料が加算されていません。
よって、実際の損益はこれに6%ほどプラスした「-13.55%」が運用実績ということになります。
まとめ~恐ろしい「高利回り」の罠にはまらない投資を!
日本株アルファ・カルテットに投資するということは、資産を減らす行為であることがわかりました。しかも1年で「-13.55%」も資産が減ってしまっては、10年ももたずに資産が全額溶けてしまいます。
よって、安易に「高利回り」に飛びつくことなく、しっかりと利益を上げることができる、インデックスファンドに投資していきましょう。
以上、評判の「日本株アルファ・カルテット(毎月分配型)」を徹底評価!今後の見通しは『やばい』理由を解説する。...の話題でした。