分散投資で低リスクが魅力の世界経済インデックスファンド。
先進国・日本・新興国の株式と債券といった幅広い地域にバランスよく投資することができることが特徴のファンドです。
今回はこの世界経済インデックスファンドはどのような投資信託であるのか?
その魅力を考察していきたいと思います。
また併せて、世界経済インデックスファンドの投資効率についても分析していきたいと思います。
Contents
世界経済インデックスファンドの基本スペック
ここでは多くの投資家が購入している世界経済インデックスファンドの基本スペックをご紹介していきます。
世界経済インデックスファンドの基本スペック
名称 | 世界経済インデックスファンド |
投信会社 | 三井住友トラスト・アセットマネジメント |
単位型or追加型 | 追加型 |
国内or海外 | 内外 |
投資対象資産 | 資産複合 |
備考 | 為替ヘッジなし |
世界経済インデックスファンドの特徴
ⅰ.投資地域
世界経済インデックスファンドでは先進国・日本・新興国と幅広い地域に投資しています。
ⅱ.株式だけではなく、債券にも投資
世界経済インデックスファンドでは株式と債券への投資比率が50:50に設定されています。
よって、価格変動率の高い株式だけではなく、債券にも投資することで、よりリスクを抑えた投資を行うことが可能です。
世界経済インデックスファンドの人気の秘密
幅広い地域に分散投資を行うことができる世界経済インデックスファンド。
ここではその人気の秘密を解析していきたいと思います。
幅広い地域に分散投資を行うことができる
世界経済インデックスファンドでは先進国・日本・新興国と幅広い地域に投資を行っています。
よって、まさに世界中に投資することが可能です。
≪世界経済インデックスファンドの投資先≫
投資先 | 連動インデックス | 投資比率 |
先進国株式 | MSCIコクサイ・インデックス(円ベース) | 30% |
国内株式 | TOPIX(東証株価指数) | 5% |
新興国株式 | MSCIエマージング・マーケット・インデックス(円換算ベース) | 15% |
株式と債券の両方に投資することができる
世界経済インデックスファンドでは株式と債券に50:50の比率で分散投資しています。
一般的に株式相場と債券相場は反対の動きをするといわれています。
ですから、株式暴落時には債券価格が上昇し暴落のヘッジ効果を発揮してくれるため、
リスクを抑えた投資を行うことが可能になります。
≪世界経済インデックスファンドの債券の投資先≫
投資先 | 連動インデックス | 投資比率 |
先進国債券 | FTSE世界国債インデックス(除く日本、円ベース) | 30% |
国内債券 | NOMURA-BPI総合 | 5% |
新興国債券 | JPモルガン・ガバメント・ボンド・インデックス-エマージング・マーケッツ・グローバル・ディバーシファイド(円換算ベース) | 15% |
新興国に投資することができる
個人投資家が新興国の株式や債券に投資することは一般的に困難です。
しかし、世界経済インデックスファンドに投資することで間接的に新興国の株式や債券に投資することができます。
見てきたように、世界経済インデックスファンドはかなり魅力的なポイントが多いファンドであることがわかります。
世界経済インデックスファンドに投資すべきではない2つの理由
世界中の広い地域に分散投資することができることで人気の世界経済インデックスファンド。
しかし結論から申し上げますと、世界経済インデックスファンドは投資すべきではない投資信託であるといえます。
ここでは世界経済インデックスファンドに投資すべきではない2つの理由をご説明していきたいと思います。
投資すべきではない理由その1~本当に新興国に投資できるのか?
新興国というとどういった国を思い浮かべるでしょうか?
ブラジル・インド・タイ・ベトナムなどを思い浮かべる方が多いのではないでしょうか?
世界経済インデックスファンドの資産状況を見てみましょう。
新興国としては発展しすぎていて、投資的に魅力の薄い中国・韓国・台湾などが中心に組まれていることがわかります。
これではせっかく新興国に投資できると思って、世界経済インデックスファンドに投資したとしても、
自分が想定している「新興国」に投資することができないことがわかります。
投資すべきではない理由その2~天井疑惑
上図は世界経済インデックスファンドの過去10年の価格推移です。
順調に長期上昇トレンドを形成していることがわかります。
しかし、世界経済インデックスファンドは天井を打ったのではないか?
と推測されるいくつかの理由がテクニカル的に存在しているのです。
≪世界経済インデックスファンドのテクニカル分析≫
ⅰ.急増した出来高
2017年以降、出来高が増加していることがわかります。
しかもこの出来高が高値レンジで増加しています。
よって、20,321円―23,513円のレンジを抜くためには、さらに多くの出来高が必要なことがわかります。
また高値圏で長く多くの出来高が発生した場合、
一般的には大口が逃げているなど天井を形成している可能性が高いといわれているので注意が必要です。
ⅱ.ダイバージェンスの発生
世界経済インデックスファンドの月足チャートをMACDを使って分析すると、
2015年の高値21,980円を2018年1月に更新しているにもかかわらず、MACDの値が低くなっていることがわかります。
このダイバージェンスと呼ばれる現状が起こった場合、テクニカル的には天井を形成したと分析されます。
ⅲ.ボリンジャーバンドからの考察
世界経済インデックスファンドの月足チャートにボリンジャーバンドかけた図です。
一般的にボリンジャーバンドはトレンドを読むためのテクニカルであるといわれています。
2015年の上昇時に、1でボリンジャーバンドの3σを付けています。
その後価格は上昇しましたが、ボリンジャーバンド的には2σまでも上昇になっていることがわかります(2)。
このように上昇は中途半端な場合、その後の価格推移のようにトレンド転換し下落に向かうことが多くなります。
2018年の上昇を見ると、2σと上昇が半端な形で終わっていることがわかります(3)。
また、4の時点で-3σを付けています。-3σを付けてしまうと、トレンドが転換する場合が多くなります。
よって、ボリンジャーバンド的にも世界経済インデックスファンドは天井を打った可能性が高いということができます。
見てきたように、天井を形成した可能性のある世界経済インデックスファンドに投資すべき理由はないといえます。
世界経済インデックスファンドの投資効率は?
世界経済インデックスファンドは天井を形成した可能性が高いファンドであることがわかりました。
ここでは実際に投資した場合の投資効率を分析していきたいと思います。
騰落率は分配金と基準価格の上昇率の合計です。
設定来の年率が12.10%と世界経済インデックスファンドは順調にリターンを上げてきたことがわかります。
しかし、近年のリターン率を見てみましょう。
直近1年ではたった1.29%とリターン率がおよそ1/10になっていることがわかります。
また2年間でも5.95%とリターン率が半減しています。
これは基準価格同様、リターン率も天井を形成した可能性があることを示しています。
いまからトレンドが転換し、損失ばかりが増えていく可能性が高いファンドを購入する理由はありません。
まとめ
今回は投資家の評判が高い世界経済インデックスファンドを分析してきました。確かに今までの投資成績は順調であったということができます。
しかし、天井疑惑があるファンドを「今」購入する理由はあるのでしょうか?
投資リスクの高い世界経済インデックスファンドを現時点で購入するのは自殺行為に等しいと認識すべきであると思います。
以上、評判の世界経済インデックスファンドはおすすめできる投信なのかを徹底分析!投資利回りは魅力的?...の話題でした。