一月に決算期を迎え、株主に向けて配当を出す企業の中から、投資家にとって魅力的な銘柄を抽出して紹介します。
利回りが高い銘柄を選ぶことにより、株価の変動によって生じる利益以上の収入を確保することも可能です。
この記事を参考にしながら銘柄選びを行ってください。
なお、配当利回りは2019年11月時点での株価を基にして計算しています。
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菱洋エレクトロ(8068)
配当利回りは4.17%
菱洋エレクトロの株価は1,918円を付けており、1株あたりの配当は80円であることから、配当利回りは4.17%となっています。
仮に1,000株を購入した場合、必要になる資金は1,918,000円で、リターンとして期待できる金額は80,000円です。
配当金は前年度の60円から20円の増配となっており、17年度の配当40円から比べてちょうど2倍と、急激な成長を見せている企業として評価できます。
会社についての基本情報
菱洋エレクトロは三菱電機やインテルといった企業の製品を取り扱うエレクトロニクス商社で、情報通信関連の機器にも強みを持っています。
5Gへの対応を急激に推進し、中国市場への対応にも力を入れており、21年度に向けてはソリューションに関連する案件も拡大させる勢いです。
ウィンドウズ7を導入する企業が増加したことを主な理由として営業益を伸ばし、売上高も4年ぶりに1千億円の大台に乗せるなど、経営は順調に進められています。
株価の推移
18年初頭には2,100円台を付けていましたが、その後は下降トレンドに入り、18年12月には一時1,360円を付けるなど大幅な下落を見せていました。
しかしその時点を底値として上昇トレンドへと転換すると、19年7月には1,900円台を回復し、現在は当時の株価を上回る価格で取引が進められています。
21年度に向けても営業利益や純利益はさらに上向きになる見込みであり、配当金が増配される可能性も含んでいるため、注目度を高めるべき銘柄と言えるでしょう。
ピープル(7865)
配当利回りは4.15%
ピープルの株価は1,348円を付けており、1株あたりの配当は56円が予想されていることから、配当利回りは4.15%になっています。
仮に1,000株を購入するという場合には、必要となる資金は1,348,000円で、リターンとして56,000円に期待することができる銘柄です。
配当金は前年度の62円から減配となる見込みで、高い水準を維持していることは確かですが、16年度の配当金が90円だったことを考えると、勢いの低下は若干気がかりです。
会社についての基本情報
ピープルでは、乳幼児に教育を兼ねた遊びとして提供する知育玩具の企画や開発を行っており、バンダイナムコ系列の企業として高い信頼度を誇っています。
今年度はケッターサイクルをはじめとするヒット商品をいくつも生み出しており、主力商品として支持されている「ぽぽちゃんシリーズ」も人気を維持しました。
減配となった理由としては、主力製品と同等のジャンルを取り扱う競合他社の台頭が挙げられ、販促費にかかる割合も大きかったことから、純利益を落とす結果となっています。
株価の推移
17年12月には2,071円を記録していたピープルの株価ですが、そこから徐々に値を下げており、19年11月まで一度も17年の水準まで株価を戻すことができていません。
19年1月の株価は1,400円からのスタートになりましたが、そこからも株価を下げ、19年6月には一時1,000円を割るほどの不調にも見舞われています。
19年9月頃からは急激に株価を押し戻し始めており、11月時点で1,348円と、年初の価格に近付く勢いを見せているため、今後の動向に注目すべき銘柄と言えるでしょう。
コーセーアールイー(3246)
配当利回りは4.11%
コーセーアールイーの株価は802円を付けており、1株あたりの配当は33円であることから、配当利回りは4.11%となっています。
仮に1,000株を購入した場合、必要になる資金は802,000円で、リターンとして期待できる金額は33,000円です。
配当金は18年度から3年連続で33円を維持しており、17年度の50円からは減配しましたが、16年度までの配当が25円以下だったことを考慮すれば悪くない数字と言えます。
会社についての基本情報
コーセーアールイーは福岡県内での知名度が高い不動産業者で、主に投資用マンションの開発と分譲を行っています。
最近では九州での販売実績を増やすと同時に首都圏における情報収集も拡大させ、事業規模の拡大を図りました。
売上高は、19年度の121憶5千万円から121億円ちょうどにまで落としましたが、この主な理由としては、人件費増やファミリー向けマンションの売上不調が挙げられます。
株価の推移
週足で過去二年間の株価の推移を見ていくと、18年1月に1,368円を付けて以降大幅に下落し、800~900円の範囲で長く揉み合いを続けています。
18年12月には640円にまで下げて以降は700~800円というレンジで株価を動かすことが増えた銘柄です。
現在の株価は802円なので、ここ半年の株価の中では高値と言えますが、21年度の決算では営業利益を上げる見込みとなっており、今後の上昇に一定の期待が持てます。
今回紹介する4つの銘柄の中で、唯一1,000円以下で購入できる低位株なので、低予算で少しでも多くの株を保有したいという方にもおすすめの銘柄です。
積水ハウス(1928)
配当利回りは3.49%
積水ハウスの株価は2,318円を付けており、1株あたりの配当は81円となっているため、配当利回りは3.49%程度に期待することができます。
仮に1,000株を購入する場合には、必要となる資金が2,318,000円であることに対して、81,000円のリターンを見込める銘柄です。
配当はここ5年連続の増配が決まっており、前年度の79円と比較して2円、15年度の50円と比較して31円のプラスと、高い成長度合いを見せています。
会社についての基本情報
積水ハウスは住宅メーカーとして首位の座をキープしている、日本国内では非常に有名な企業であり、賃貸住宅から分譲、都市開発、リフォーム等の事業を手掛けています。
最近では海外事業にも力を注いでおり、中国では新規物件の取得を中止しましたが、今後の成長を見込めるアメリカで賃貸住宅事業に資金を投じています。
そのアメリカの賃貸物件売却が好調であることや、借り上げに関する国内での事業も人気を落としておらず、堅い経営を持続させた結果として増配に繋がりました。
株価の推移
18年1月の段階では2,100円前後の株価でしたが、そこからは下降トレンドに入り、18年12月末頃には1,530円という安値を付ける結果となっています。
しかしここからの伸び率が高く、19年7月までに1,900円に到達させると、ここから終息で12回連続となる陽線を出現させ、2,300円台の株価にまで上昇させました。
現在の事業を引っ張る存在にまでなっているアメリカ市場はさらに継続した伸びを見せることが濃厚で、21年度以降のさらなる増配にも期待が持てる注目株として評価できます。
連日100万株以上の出来高を伴う大型株なので、短時間での急激な株価変動が起こりにくく、売り買いのタイミングを計りやすいという点に関しても高評価です。
まとめ
1月決算の企業には4%を上回る配当利回りを出す企業が複数あるため、選択肢に困ることは無さそうです。
今年度だけではなく、翌年以降の増配にも期待が持てる銘柄もありますから、長期的な投資先を探している方にとっても注目すべき月間になっています。
株価そのものの上昇を見込める企業も見据えつつ、資金を有効活用できる高配当銘柄を見つけ、積極的に注文していきましょう。