不動産の売却にはどんな費用がかかる?仲介手数料・印紙税・登記費用から譲渡所得税の計算方法まで解説する。
不動産の売却にはどんな費用がかかる?仲介手数料・印紙税・登記費用から譲渡所得税の計算方法まで解説する。

不動産の売却を検討されている方の中には、不動産を売るときに、売れた金額がすべて手元に入ると考えている方もいるのではないでしょうか。

実は不動産を売るときには、さまざまな諸費用・手数料がかかります。

 

売れた金額から様々な諸費用を除いた金額が、最終的にあなたの懐に入るのです。

これから不動産の売却をされる方は、不動産売却時にかかる諸費用を前もって知っておきましょう。

 

売却が完了するまでには、それなりの費用がかかります。

事前にこういった諸費用を把握しておくことで、後からこんなはずじゃなかったと慌てることもなくなります。

 

事前に資金計画をしっかり立てるためにも、まずはどんな費用が必要になるのか見ていきましょう。

 

不動産売却にかかる諸費用とは

不動産売却の際にかかる諸費用・手数料は、おもに以下の5つです。

 

・仲介手数料

・印紙税

・抵当権抹消登記費用

・ローンを一括返済するための費用

・譲渡所得税・住民税

 

大きく分けてこの5つが、不動産の売却時に発生する諸費用・手数料となります。

この5つの費用を除いた金額が、あなたの手元に残るお金になります。

 

次からは、この5つの費用について詳しく見ていきます。

 

仲介手数料

不動産を売却する際に不動産会社に支払う費用が、この仲介手数料です。

仲介手数料とは、不動産売却の仲介を不動産会社に依頼した場合にかかる手数料で、売買契約成立後に不動産会社に支払います。

 

通常、不動産を売却するときは、不動産会社と媒介契約をします。

契約を結んだ不動産会社は、売主の代わりに買主を探します。

 

この業務にかかる費用として、売主は不動産会社に仲介手数料という名の報酬を払うことになります。

仲介手数料は、不動産の売買契約が成立した時点で支払う成功報酬です。

 

もしも売買契約が成立しなかった場合は、支払う必要はありません。

この仲介手数料は、仲介業務で必要となる費用に限定されています。

 

何か特別な広告宣伝を行った場合や、購入希望者との交渉にかかった諸費用などは、別途費用が発生することが多いので注意しましょう。

仲介手数料を支払うタイミングは、売買契約を結んだ時に半分を支払い、残り半分は不動産売却が完了した時に支払います。

 

不動産会社に対して、仲介手数料はいくらぐらい払うものなのでしょうか。

以下の速算表によって、簡単に導き出せます。

 

販売価格が200万円以下  (販売価格×5%)+ 消費税

販売価格が200万円以上~400万円以下     (販売価格×4%+2万円)+ 消費税

販売価格が400万円以上  (売価格×3%+6万円)+ 消費税

 

この金額はあくまでも上限額です。

不動産会社が売主に請求できる上限額は、この計算式によって計算できるのですが、実際にはこれより低い金額になることも多いようです。

 

仲介手数料が無料や半額など、キャンペーンなどで値引きを行っている不動産会社もあります。

また、友人や親戚に不動産を売却する時などは、手数料を割り引いてくれることもあります。

 

仲介手数料は不動産売却時にかかる費用の中でも大きな割合を占めるので、不動産会社ごとに仲介手数料がいくらかかるのか確認しておきましょう。

 

印紙税

不動産売却時に支払う税金の一つが、印紙税です。

印紙税とは、不動産を売却する際に売主と買主との間で交わす「不動産売買契約書」に対し、その売買価格に応じて貼る収入印紙のことです

 

印紙税は売買価格に応じて定められています。

2030年3月までに作成された不動産売買契約書は、軽減税率の適用を受けられます。

 

以下は、軽減税率を受けた時印紙税の一覧です。

 

1万円から10万円まで                             200円(軽減措置なし)

10万円を超え50万円まで             200円

50万円を超え100万円まで            500円

100万円を超え500万円まで                    1,000円

500万円を超え1,000万円まで                  5,000円

1,000万円を超え5,000万円まで    1万円

5,000万円を超え1億円まで                     3万円

1億円を超え5億円まで                            6万円

5億円を超え10億円まで               16万円

10億円を超え50億円まで             32万円

50億円を超える場合                               48万円

 

抵当権抹消登記費用

抵当権抹消とは、住宅ローンを借りた時に、不動産に設定された抵当権を消すことです。

売却する物件にローンが残っている場合は、抵当権を抹消してから引き渡すことになります。

 

借入時に設定した抵当権を抹消しておかないと、買主の不利益になることがあります。

抵当権抹消登記費用の目安は、司法書士への手数料も含めて、5,000円~2万円程度と考えましょう。

 

ただし、個人で抵当権の抹消手続きをする場合、登録免許税として1物件につき1,000円、土地と建物であれば2,000円で手続きを行うことも可能です。

抵当権抹消登記は、申請書類の作成や法務局へ出向いて手続きを行うなど複雑な作業が必要になりますので、司法書士へ依頼することをおすすめします。

 

ローンを一括返済するための費用

売却する不動産を購入した際、住宅ローンを利用された方も多いと思います。

不動産を売却するときに、住宅ローンの残債がある場合は、不動産を売却するまでに完済しておく必要があります。

 

ローンを完済するためには、一括繰り上げ返済をする必要があり、そのとき金融機関に対して手数料を支払う必要があります。

繰り上げ返済の手数料は、銀行ごとに異なります。

 

また銀行の窓口で行う場合、電話で行う場合、ネットで完結する場合など、手続きの方法によって手数料の額は異なってきます。

手数料自体は数千円から数万円程度を見込んでおきましょう。

 

ローンの残高が1,000万円ある場合は、残債1,000万円と、繰り上げ返済の事務手数料、そしてさきほどの抵当権抹消登記費用をまとめて支払うことになります。

手続きは複雑で、かつ重要な手続きになりますので、司法書士に依頼することをおすすめします。

 

司法書士への報酬は、1万円~2万円程度を見込んでおけばよいでしょう

 

譲渡所得税・住民税

不動産を売却する時にかかる税金の代表的なものが、譲渡所得税です。

不動産を売却した場合、その売却益は「譲渡所得」として確定申告が必要となります。

 

不動産を売った金額から、その不動産を取得するときにかかった代金や購入時・売却時の諸費用を差し引いた後に利益が出た場合、その所得に対して所得税や住民税がかかります。

ここで言う所得とは、不動産の購入費用や物件の減価償却費、仲介手数料や印紙税、登記費用など、さまざまな費用を引いて残った利益のことを指します。

 

したがって、利益が出ない場合には譲渡所得税は0円で、申告の必要もありません。

この譲渡所得には、2種類あります。

 

物件を所有していた期間により、短期譲渡所得と長期譲渡所得に分けられ、税率が異なりますので注意しましょう。

不動産を売却した時点で、その不動産の所有期間が5年以上の場合は長期譲渡所得、所有期間が5年未満の場合は短期譲渡所得となります。

 

長期譲渡所得は所得税が15%で、住民税が5%かかります。

短期譲渡所得は所得税が31%で、住民税が9%かかります。

 

まとめ

不動産を売却するときには、このようにさまざまな費用がかかります。

主なものだけでも、仲介手数料や印紙税が必要なこと、住宅ローンがある場合は、ローンの残債だけでなく抵当権抹消登記費用が必要なこと、売却時の譲渡所得にかかる税金には譲渡所得税や住民税などがあることがわかりました。

 

またこのほかにも、物件によって必要な諸費用もあります。

たとえば隣地との境界線がはっきりしない場合などは、測量して面積や境界を確認しなければいけませんので、測量費用が必要になります。

 

また自宅を売るときなどは、売却前にリフォームやハウスクリーニングが必要なこともあるでしょう。

不動産売却時にはどのような費用がいくらぐらい必要になるか、前もって確認しておきたいものです。

 

はじめて不動産を売却する場合は、わからないことも多いと思いますので、不動産会社などに早めに相談しましょう。

 

 

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