上図は楽天証券が提供している投資信託のランキング一覧です。
楽天USリート・トリプルエンジン(レアル)毎月分配型が海外不動産投信ランキングで堂々の1位にランクインしています。
よって、多くの投資家が投資しているファンドであることがわかります。
今回はこの投資家に人気の楽天USリート・トリプルエンジン(レアル)毎月分配型はどのような投資信託であるのか?
その魅力を考察していきたいと思います。
また併せて、楽天USリート・トリプルエンジン(レアル)毎月分配型の投資効率についても分析していきたいと思います。
Contents
楽天USリート・トリプルエンジン(レアル)毎月分配型の基本スペック
ここでは多くの投資家が購入している楽天USリート・トリプルエンジン(レアル)毎月分配型の基本スペックをご紹介していきます。
名称 | 楽天USリート・トリプルエンジン(レアル) |
投信会社 | 楽天投信投資顧問 |
単位型or追加型 | 追加型 |
国内or海外 | 国外 |
投資対象資産 | 国際不動産 |
備考 | 毎月分配型 |
楽天USリート・トリプルエンジン(レアル)毎月分配型の収益の仕組みは以下の4つから構成されています。
ⅰ.外国投資信託を通じて米国リートに実質的に投資
ⅱ.米国リートETFのコール・オプションの売却によってオプション・プレミアム収入を獲得する「リートのカバード・コール戦略」
ⅲ.円売り・ブラジル・レアル買いの為替取引により円とブラジル・レアルの金利差相当分の収益と対円でのブラジル・レアルのパフォーマンスの獲得を目指す「ブラジル・レアル戦略」
ⅳ.円に対する米ドルのコール・オプションの売却によってオプション・プレミアム収入を獲得する「米ドル円のカバード・コール戦略」
海外不動産投信となっていますが、投資先にはブラジルの通貨のレアルとドルへの投資も含まれていることがわかります。
しかし、コール・オプションを採用しているあたり、かなりリスクの高いファンドだなとの印象があります。
楽天USリート・トリプルエンジン(レアル)毎月分配型の人気の秘密
高い人気を誇る楽天USリート・トリプルエンジン(レアル)毎月分配型。ここではその人気の秘密を解析していきたいと思います。
好調のアメリカ不動産に投資することができる
世界で独り勝ちのアメリカ。
下図はそのアメリカのリート指数の10年間の推移です。上下しながらも美しい上昇相場を演じていることがわかります。
この絶好調のアメリカのリートに投資することで、間接的にアメリカの不動産に投資することができます。
レアルに投資することができる
ブラジルレアルは高スワップ通貨です。
楽天USリート・トリプルエンジン(レアル)毎月分配型ではレアル買いの円売りでスワップポイントを獲得することを収入源に挙げています。
アベノミクスの開始から日本ではマイナス金利を採用しています。そのため、比較的安定したインカムゲインを獲得することが可能です*。
*スワップポイントとは、2国間の金利差から生じる、FXのインカムゲインのことです。株式でいう配当のような存在だと理解するとよいでしょう。
超絶高利回りの楽天USリート・トリプルエンジン(レアル)毎月分配型
楽天USリート・トリプルエンジン(レアル)毎月分配型は毎月17日or18日に30円の分配金を出していることがわかります。
楽天USリート・トリプルエンジン(レアル)毎月分配型の基準値は現在2,200円ですので、利回りは16.47%という驚異的な数値になっています。
この高利回りが楽天USリート・トリプルエンジン(レアル)毎月分配型最大の魅力であるといえましょう!
見てきたように、楽天USリート・トリプルエンジン(レアル)毎月分配型はかなり魅力的なポイントが多いファンドであることがわかります。
超絶高利回り! 楽天USリート・トリプルエンジン(レアル)毎月分配型を買ってはいけない5つの理由
利回り16.47%という破格的な分配金で人気の楽天USリート・トリプルエンジン(レアル)毎月分配型。
しかし結論から申し上げますと、楽天USリート・トリプルエンジン(レアル)毎月分配型は買ってはいけないリスクの非常に高い投資信託であると断言できます。
ここでは楽天USリート・トリプルエンジン(レアル)毎月分配型を買ってはいけない5つの理由をご説明していきたいと思います。
買ってはいけない理由その1~楽天USリート・トリプルエンジン(レアル)毎月分配型の価格推移
下図は楽天USリート・トリプルエンジン(レアル)毎月分配型の上場来の価格推移です。
2010年8月に上場し、2011年4月に11,319円を付けてから、基準価格が暴落していることがわかります。
なぜ、楽天USリート・トリプルエンジン(レアル)毎月分配型は暴落街道をまっしぐらに進んでいるのでしょうか?
アメリカのリート価格が下落しているのでしょうか?それは見てきたように好調に推移するダウから考えられません。
ファンダメンタルからの暴落要因は次項以下で詳しく解説していきますので、ここではテクニカル的側面からの暴落要因を分析していきたいと思います。
上図は一目均衡表から見た、楽天USリート・トリプルエンジン(レアル)毎月分配型の月足チャートです。
ピンク色の部分は「雲」と呼ばれる上値抵抗です。
楽天USリート・トリプルエンジン(レアル)毎月分配型はこの雲に覆われていることがわかります。
一般的に、この雲を脱出しない限り、本格的に価格が上昇することはありません。
よって楽天USリート・トリプルエンジン(レアル)毎月分配型は今後も雲に沿って暴落し続けていくということがテクニカルからわかります。
買ってはいけない理由その2~減り続ける分配金
高利回りが魅力の楽天USリート・トリプルエンジン(レアル)毎月分配型ですが、年々分配金が「がっつり」と下がっていることがわかります。
現在も16%を超える利回りですから、分配金が再度下げられるのは誰でもわかる理屈ですよね。
このように底なし沼に嵌るがごとく下落し続ける分配金を目当てに楽天USリート・トリプルエンジン(レアル)毎月分配型を購入するということは、
本末転倒であることがわかります。
買ってはいけない理由その3~高い手数料体系
購入時手数料 | 3.24% |
運用管理費用(信託報酬) | 年率1.51% |
監査報酬 | 間接的に負担 |
売買委託手数料 | 間接的に負担 |
信託財産留保額 | 0.75% |
参考:楽天USリート・トリプルエンジン(レアル)毎月分配型の投資信託手数料
楽天USリート・トリプルエンジン(レアル)毎月分配型は直接的に支払う手数料だけで5.5%と非常に高い手数料がとられることになります。
また信託報酬は毎年発生するため、長期で保有する場合かなり高額な手数料を支払うことになります。
買ってはいけない理由その4~底なし沼のレアル
楽天USリート・トリプルエンジン(レアル)毎月分配型では、円売り・ブラジル・レアル買いの為替取引による為替利益の獲得が収入源の一つです。
上図はレアルの価格推移です。
一目で下落トレンドであることがわかります。
しかも、底値が見えない「底なし沼」状態です。
ですから、いくらスワップポイントの獲得によるインカムゲインがあるといっても、
2010年からレアルを購入している楽天USリート・トリプルエンジン(レアル)毎月分配型では、レアルの取引で利益を上げることはできません。
買ってはいけない理由その5~特別分配金の罠
楽天USリート・トリプルエンジン(レアル)毎月分配型は特別分配金を出しています。
実は、この特別分配金が基準価格と分配金額の暴落要因なのです。
まず、16.47%という分配金を出すことは、可能なのでしょうか?
下落トレンドのレアルを買い続け、近年激しく上下したダウの連動するアメリカのリートに投資していては16.47%の分配金を出すことは物理的に不可能です。
しかし、実際に2019年も分配金が出ています。この分配金はどこから出ているお金なのでしょうか?
結論から申し上げますと、投資家から集めた資金を切り崩している状態なのです。
ですから、年々投資金額が減っていくわけです。そうすると、ますます利益が上げにくくなります。
このように、特別分配金を出すようなファンドは負のループに嵌ってしまうため、
基準価格と分配金額が底なしに暴落していくだけのファンドになるだけです。
見てきたように楽天USリート・トリプルエンジン(レアル)毎月分配型は自己資産を取り崩しているだけの粗悪なファンドです。
よって、今後も順調?に基準値と分配金が下がっていきます。高利回りに騙されて、ことの本質を見失わないように注意しましょう。
楽天USリート・トリプルエンジン(レアル)毎月分配型の投資効率は?
楽天USリート・トリプルエンジン(レアル)毎月分配型は一見すると優良ファンドに見えますが、実はかなりリスキーな投資信託であることがわかりました。
ここでは実際に投資した場合の投資効率を分析していきたいと思います。
超絶高利回りのはずが実際はマイナス運用となっていますね。
上図は楽天USリート・トリプルエンジン(レアル)毎月分配型の運用結果です。
こちらは分配金と基準価格から出される利益率を示しています。
利回りが16%を超える超絶高利回りのファンドのはずが、直近1年間のリターンはたった2.63%です。
しかも、実質はマイナス運用になってしまうのです。
ここではその理由を見ていきましょう。
≪楽天USリート・トリプルエンジン(レアル)毎月分配型が実質的にはマイナス運用の理由≫
・基準価格の暴落
直近1年間の基準価格は2,572円―2,073円で推移しています。
およそ20%ほど下落していることがわかります。
よって、いくら16%という高利回りであったとしても、価格の下落速度が速いため、結果的に楽天USリート・トリプルエンジン(レアル)毎月分配型で資産を運用した場合、マイナス運用になることがわかります。
・分配金の値下げ
直近1年間で分配金が50円から30円に減額されています。
基準価格の下落を補うはずの高額な分配金の設定なはずですが、これでは、意味がありません。
・手数料は運用実績値に含まれていない
ファンド自体が2.63%の運用実績ですが、これには手数料が加算されていません。
よって、実際の損益は5.5%ほどマイナスになります。
よって「-2.47%」が実際の運用実績ということになります。
まとめ~超絶高利回りの罠に嵌らないために
楽天USリート・トリプルエンジン(レアル)毎月分配型に投資するということは、資産を減らす行為であることがわかりました。
こうした高利回りを餌に個人投資家をはめ込むような特別分配金を出すようなファンドは要注意です。
よって、安易に「高利回り」に飛びつくことなく、しっかりと利益を上げることができる、インデックスファンドに投資していきましょう。
以上、投資信託人気ランキング上位と評判の楽天USリート・トリプルエンジン(レアル)毎月分配型とは?気になる投資効率を分析!...の話題でした。