SBI日本株3.7ベアIIIはマネックス証券の月間売上ランキング2位の人気ファンドです。
今回はSBI日本株3.7ベアIIIはどのような投資信託であるのか?その魅力を考察していきたいと思います。
また併せて、SBI日本株3.7ベアIIIの投資効率についても分析していきたいと思います。
Contents
SBI日本株3.7ベアIIIの基本スペック
ここでは多くの投資家が購入しているSBI日本株3.7ベアIIIの基本スペックをご紹介していきます。
名称 | SBI日本株3.7ベアIII |
投信会社 | SBIアセットマネジメント |
単位型or追加型 | 追加型 |
国内or海外 | 国内 |
投資対象資産 | 株式ベア型 |
備考 | ハイリスク商品 |
SBI日本株3.7ベアIIIの特色は以下になります。
日々の基準価額の値動きが日本の株式市場全体の値動きの概ね3.7倍程度「逆」となる投資成果をめざし設定されたベアファンドです。
*ベアファンドとは?
「ベア」は「熊」のことです。
ベアファンドの名前の由来は、熊がツメを振り落として攻撃する動きから付けられました。
よって、相場が大きく反転し、下落する側面でパワーを発揮する投資商品といえます。
また反対に上昇相場で有利な投資商品はブルファンドと呼ばれています。
SBI日本株3.7ベアIIIの人気の秘密
ここでは多くの投資家が購入しているSBI日本株3.7ベアIIIの人気の秘密を解析していきたいと思います。
下落相場にめっぽう強い!
SBI日本株3.7ベアIIIは「日々の基準価額の値動きが日経平均株価の3.7倍程度逆」になるように設定されています。
具体的には、日経平均株価が1%下落した場合SBI日本株3.7ベアIII は3.7%上昇するように設定されているということです。
ですから、SBI日本株3.7ベアIIIは指数の下落局面において大きなリターンを上げることが可能です。
相場下落時にはファンドの基準価額が大きく値上がりする
上図では基準日と4日後の株式市場を比べると、100%→90%と変化し騰落率は-10%です。
しかし、この間のSBI日本株3.7ベアIIIの基準価額は144.4%と3.7倍ではなく4.4倍もの値動きをしてます。
このようにSBI日本株3.7ベアIIIは下落局面では大きく基準価格を上げることが特徴です。
見てきたようにSBI日本株3.7ベアIIIは相場の下落局面で大きなリターンを上げることができるファンドであるといえます。
超絶ハイリターン! SBI日本株3.7ベアIIIを買ってはいけない4つの理由
指数の3.7倍逆とハイリターンを享受することができるSBI日本株3.7ベアIII。
しかし結論から申し上げますと、SBI日本株3.7ベアIIIは買ってはいけないリスクの非常に高い投資信託であると断言できます。
ここではSBI日本株3.7ベアIIIを買ってはいけない4つの理由をご説明していきたいと思います。
買ってはいけない理由その1~ハイリスクファンド
上図では基準日と4日後の株式市場を比べると、100%→110%と変化し騰落率は10%です。
しかし、この間のSBI日本株3.7ベアIIIの基準価額は68.8%と大きく下落していることがわかります。
また同じ指数が10%上昇したとしても、上図のように上昇と下落を組み合わせて推移した場合、
この間のSBI日本株3.7ベアIIIの基準価額は57.4%と3.7倍以上に下落することがわかります。
このように、SBI日本株3.7ベアIIIは短期間で大損をする可能性が高い非常にリスクの高いファンドであるといえます。
買ってはいけない理由その2~持合い時の値動き
上図は20日間幅10ポイントで持ち合った場合のSBI日本株3.7ベアIIIの基準価格です。
なんと、指数は変化していないにもかかわらず、SBI日本株3.7ベアIIIはおよそ35%も基準価格が下落してしまうことがわかります。
相場の7割は持合いであるといわれています。よってSBI日本株3.7ベアIIIは理論的に勝つことが難しいファンドであるといえます。
買ってはいけない理由その3~高い手数料体系
楽天日本株4.3倍ブルの購入手数料は2.16%、信託報酬は0.90%、合計3.06%と手数料が高いファンドです。
よって、デイトレードにも使えないファンドであることがわかります。
買ってはいけない理由その4~基本的に長期上昇相場
世界を牽引するNYダウ指数。
上図のようにNYダウ指数は高値を更新し、上昇相場を継続中です。
日経平均株価はNYダウ指数に強い影響を受けます。
こういった上昇相場でベアファンドを購入することはリスクが高いのです。
見てきたように、基本的に相場環境が好調な局面で3.7倍とハイリスク・ハイリターンのベアファンドを購入する理由はないということができます。
SBI日本株3.7ベアIIIの投資効率は?~驚愕の「マイナス運用」
SBI日本株3.7ベアIIIは実はかなりリスキーな投資信託であることがわかりました。
ここでは実際に投資した場合の投資効率を分析していきたいと思います。
SBI日本株3.7ベアIIIは2018年5月に設定されたばかりの新しいファンドです。
よって、投資効率も過去1年間しか見ることはできませんが、「マイナス」20.81%とマイナス運用です。
連動性のある日経平均株価はそんなに上昇しているのでしょうか?
上図は直近1年間の日経平均株価の推移です。単純に1年前と同じ位置にあることがわかります。
日経平均株価は同じ位置で推移しているにもかかわらず、なぜSBI日本株3.7ベアIIIは「マイナス」20.81%とマイナス運用なのでしょうか?
それは、SBI日本株3.7ベアIIIは持合い相場では株価が下落するからです。
相場の7割を占める持合いで下落するファンドに投資して物理的に勝てるわけはありません。
コラム:ブルとベアファンドを組み合わせた場合の投資効率
SBI証券ではSBI日本株4.3ブル、3.7ベアと2種類の高倍率商品を提供しています。
通常、日経平均株価の指数に連動するETFを購入した場合はベアとブルを同数購入し、保有した場合、損益が「ゼロ」になります(手数料を除く)。
ここでは、倍率は多少違いますが、SBI日本株4.3ブル、3.7ベアと2種類の高倍率商品を1年間保有した場合のリターンを分析していきたいと思います。
驚きの結果になりました!
なんと高倍率商品のブル・ベアどちらに投資しても直近1年間で「マイナス」運用になることが判明しました。
1年のリターン率 | |
SBI日本株4.3ブル | -29.67% |
SBI日本株3.7ベア | -20.81% |
高倍率のブル・ベアどちらに投資しても「マイナス」運用になる理由は相場で7割を占める持合いでどちらのファンドも下落するという特徴があるからです。
よって、高倍率のブル・ベアファンドはどちらを購入しても物理的に勝つことは難しいファンドであるということができます。
話はそれますが、SBI日本株4.3ブルは1年間の最大損失率が1位のかなりリスクの高いファンドです。
このことからも、高倍率ブル・ベアファンドのリスクの高さがお分かりいただけると思います。
また、上昇相場にヘッジとしてベアファンドを活用したり、逆に下落相場にヘッジとしてブルファンドを活用することも無意味であることがわかります。
なぜなら、最終的に長く保有すれば保有するほど株価の変動率以上の損失を被る可能性が高くなるからです。
まとめ
今回はSBI日本株3.7ベアIIIの特徴や投資効率をご紹介してきました。
はっきり言って、SBI日本株3.7ベアIIIはリスクだけが高い損失を被るためにだけ存在するファンドであるといえます。
3.7倍という文字に踊らされることなく、リスクの高いファンドを見抜けるための相場知識を身に付けていきましょう。
結論として、SBI日本株3.7ベアIIIは証券会社が手数料を稼ぐだけの悪質なファンドであるということができます。